零回戦の正解は「靴下」 。
乱雑に脱ぎ捨てられて、床の上で丸まっている片方の靴下。そこに優しく差す光との対比が効いている。
全員不正解。
一回戦はエスパー伊東追悼。
一回戦 「超能力」の句
(★=特選)
冬帽子目深に被る透視術/企鵝
「どういう意味だろう」「あんまり見られたくないんだよ」「目深にかぶるって変じゃないですか? 目深でいいんじゃないですか。まあ中二病の感じかな、俺なにも見てないよって言って女子更衣室とか入るのかな」
透視力せっかくあるのにテンパらない/小佐治
(笑)「麻雀の文句ですね。麻雀牌の積んである山が次なにツモるかとか相手がどんな牌持ってるとか全部わかってるのにテンパらない、ただそれだけの句です」
※テンパるとは、麻雀であと1牌であがりになる状態(テンパイ)になること。麻雀では透視能力は最強の超能力だが、自分がテンパイしなければ宝の持ち腐れ。
ウォシュレットの設定変えたテレパシー/光音座
(笑)「おー、これは翼さんの句の、ウォシュレットの設定変へた奴殺す、の」「遠隔でいたずらしてるんだよ」「面白い。アンサーというかオマージュした句ですね。このテレパシーの使い方おしゃれじゃないですか」
※テレパシーは人の心を読む、読ませる超能力なので、この場合はサイコキネシスまたはテレキネシス=念力が適当かも。
三度目と判らぬように成人式/ときこ
(笑)「そういう超能力の使い方ありますか? 還暦なんだけど成人式。20歳にして達観してるなあの子はって言われるような感じですかね。そういうのも超能力って言う? タイムスリップしたのかとんでもないアンチエイジングしたのか知らないですけど」
轢かれたるタヌキ来世はニンジンに/ぽっぽ
「どういうこと? これどういう風に超能力なんでしょうかね」「能力がわからない」「能力をどこに使ってるのかわからないなあ。ちょっと取り切れないですね」「ぽっぽさんより、来世が見える超能力もあるのかなと思いまして。だとしてもちょっと取りづらいかな。それを俳句にまとめるの難しいですね。ニンジンと来世を知つて轢き殺す、くらいでいいんじゃない、タヌキって言わないとわかんないのかな」
瞬間移動ヤメロ商売あがったり/光音座
「おー面白い」「タクシー会社」「新幹線の会社でもなんでもいいですけど、交通系の仕事に従事してる人は瞬間移動されちゃ商売上がったりだなって、ただ嘆いてるだけですね」
透視し過ぎて子宮しかわからない/翼
(笑)「馬鹿ですね。顔も見えないんだ」
一-二号コケると知って元手なし/小佐治
「競艇で1号艇2号艇が3着以内に入れないとなると払戻金が上がるんですね。今回のレースは大荒れするってことを未来予知していたんだけど、買うお金がないっていう、ただそれだけの句だな」
スプーンが曲げたくなつてカレーの日/翼
「あーちょっと面白いけどな。カレーの日ってのはカレー曜日のことなのか。いいんだけどスプーンとカレーの距離感が近過ぎる気もしますね。これがシチューの日じゃダメなのかフルーチェじゃダメなのか。これわかるっていうのは、小学生の時給食でカレーが出るたびに必ず1人スプーン曲げるんですよね。で先生に怒られるんですよ。何回も曲げると金属疲労で折れちゃいますからね。ただ懐かしいってだけですね」
念力で眉毛の動く雪だるま/企鵝
「いいんじゃないかな、軽くていいですね。あっさりしてますね。念力で、がいいのか。もしかして『念力りぼん』の笹さんへのあいさつなのか」「これぐらいがいいよね、変なことするより」
兄の骨にキャバ嬢の名や深雪晴/ぽっぽ
「みゆきばれ…雪が降り積もった翌朝に空が晴れ渡ること」「雪深い地方ならではの言葉じゃない?」「みゆきちゃんだったんじゃない? 兄さんの骨にある名前」「骨に書くって大変じゃない?」「やっぱ変だなと思うのは、骨に書かないんですよね。兄が太客だったからそれを名残惜しんで、キャバ嬢がお葬式っていうか焼き場まで来てくれた…いや焼き場に来ないか気持ち悪いな。どういうことだろう」
湯豆腐を箸を使はず食べる技/翼
「うまい。いいと思います。そもそも湯豆腐って箸使っても難しいんですよね。たぶん外国人が湯豆腐箸で食おうとしたら大変な思いすると思いますね、穴空きお玉ですくうまではいいんだけど、そこから箸でつかむまでが大変。でも箸を使はず食べる技、っていうのが」「素手で熱さに耐える」「そうなっちゃいますよね。超能力って言うんじゃない、箸なんか面倒くさいからお椀ごと口につけて吸うと、そういう句になっちゃうんじゃないかな」「ストローです」「ストローで飲むのは面白いかもしれないですね。超能力の句じゃないんだけど」
水洟を啜りて始む未来予知/企鵝
「落ち着いたとこに収めたって感じ」「なんとも言えないな。うまい気もするんだけど。音はいいと思います。収まってはいるんだけど」「普通の句だといいんだけど超能力としては弱い」「これが句集にポッと入ってたらいいんだろうな。始む、気になりますけどね。始めるって意味なんだけど。それだったら、水洟を啜りて君の未来予知、くらいでよかったんじゃない。別に自分の未来予知してもいいんだけど、この子の将来とか好きな子の将来とかそういうのを未来予知してほしいじゃないですか。2人称とか入れたほうがいいと思いますね」
まあ一種の超能力です雪おんな/みずな
「言ってることはわかります。吹雪という技を使える、あるいは人を冷やし殺す。まあ一種の超能力です、が面白いかと言われるとなあ。超能力コーナーにゐる雪女、くらい言ったほうが馬鹿らしくていいと思いますけどね。フジテレビとかやってそうじゃないですか、雪女見つけました、怪奇現象!とか。『特命リサーチ200X』とかでやってそう」「古いな。超冷え性の女」(爆笑)「皮膚の温度19度」「逆に普通の人間として紹介したほうが面白い。雪女だって言ってんのに、いやずいぶん体温低いですね、って」
どんな下痢でも厚着して出かけたる/翼
「ちょっと待って意味わかんねえ。下痢って薄着するって前提あるのかな」「すぐ脱げるんだよ」「超能力ですぐ脱げるっていうことか。いやでも言い方が微妙じゃないですか。銭湯に1秒で入れるのほうがいいんじゃないですか言い方としては。これはちょっとひねり過ぎだと思いますよ。下痢は夏の季語でしたっけ」「水あたりは夏だけど下痢は冬じゃない? 寒いから」
※調べましたが、「下痢」は特に季語にはなっていないようです。
冬虹の根元に犀(サイ)の親子かな/ぽっぽ
「超能力?」「普通の景色だと思う」「ただ超目がいいってだけ?」「ここで言うのはマサイ族みたいに視力がいいことね」「虹の根元まで見える」「句としてはいいのか」「あんまり遠くって感じしないもんな」
福引の一等を一千億に/ときこ
「わかりやすいですね。ただ福引の1等って言い方じゃなくてなんかできるんじゃない? 年末ジャンボを操作するくらいできるんじゃないかな。ナンバーズなんて毎日抽選してますからね。福引の1等1000億には流石に無理がある。福引って言い方だと商店街のあのガラガラのことでしょ一般的には。だから福引の1等1000億にってのは」「まあいいんだ超能力だから」
吹雪く夜のスーツケースに身を潜め/翼
(笑)「エスパー伊東に対する句ですね。スーツケースに入るという芸ですね」
★凩の尻尾を掴み引き戻す/ときこ
「お」「面白いね」「へえ」「いいんじゃないですか。凩っていう実体のない風のことなんですけど、そのしっぽをつかみ、なにをするかと思ったら引き戻す、もう1回浴びさせろっていう。俳句として面白いんじゃないでしょうか。凩、効いてるな。ほかの風じゃダメですね、春一番とかじゃダメなんですね」「しっぽが凩っぽい」「狐っぽいですもんね。超能力ってお題にも合ってるし俳句としてもよいと思います」
三寒四温ビットコインの未来予知/光音座
「言ってることはわかるんだけど、つまんないかなってのはありますね。発想がけっこう一般的なんですよビットコインの未来予知って。ネタとしてつまんないかなと思う。三寒四温ビットコインを一つまみ、とかビットコインのケタ増やす、とか。超能力っていうのは未来予知でもっと使い勝手があるんじゃないかな」「あんまり不便にしなくてもね」「発想がやっぱ一般人なんで、もうちょっと宇宙人視点になってほしいですね」
凩は超能力も吹き飛ばし/惟久里
「吹き飛ばし、がやっぱり」「つまんないですね」
冬オリオン心が読めるピンクの子/翼
「オリオンとピンクが」「オリオンって強い男のイメージだからあんまりしっくり来ないな」「合ってないんじゃない? 色の落ち着きがないと言うか」「ピンクの子っていうのが、例えばアイドルのピンク担当とかゴレンジャーの女キャラ枠とか、なにを指すのか抽象的過ぎるから」「アーニャだよ」「そういうこと? すべて納得した」「ピンク髪って言ったらわかるんじゃないですか?」
私でもスプーン曲げるよ寒の入/惟久里
「あー」「私でもスプーン曲げる、はちょっと面白いですね」「寒の入って?」「寒い季節、1月の今くらい。今小寒なんで3日後くらいに大寒が来て。大寒が一番寒い時期で小寒がその前」「スプーン曲げるよ、は言い方が軽すぎるかな」「ちょっと寒の入とバランスが悪い気がする」「私でもスプーン曲げる、自体は面白いんだけど」「入学の時期とかに合わせたいけどね」
晴天や中身の見える福袋/ときこ
「おお」「超能力っていうより、本当に今あるからな」「中身の見える福袋って商品が実は今あるんですよ。それはもう向こうの売り方もあって、触って楽しむものじゃなくて。難しいね。福袋が透明じゃないってのはもう昔の話で、今は中身が確約されてる福袋けっこうあるから、この句の内容が面白いとは言えない」「時代が変わっちゃった。今だと全然読み方が変わる」
吹雪になる知っていながら合コンに/小佐治
「たぶん帰れなくなっちゃったから休憩していこうよって口実を知っていて合コンに行くって、その下心を詠んでるんじゃないかと思うんだけど、つまんないよね」「難しいな。でも関係ねえやみたいなことなのかな」「吹雪になるとかじゃなくてエレベーターが止まる知っていながら女子生徒、とか」「具体的じゃないの」
ワンオペのスプーン工場冬うらら/みずな
「わかりやすい」「ちょっと待って。スプーン工場ってのが」「ユリ・ゲラーの工場」「冬うららが微妙な気がするな。抑えきれてないみたいな」「ワンオペのスプーン工場ってまず謎だし、スプーンって今どき機械で作るでしょ手作業じゃないでしょ」「念力で曲げて作る」(笑)「効率悪い」「一気に使えよバーッて」「そしたら、念力で作るスプーン冬うらら、でよかったんじゃないかな」「そういうことを遠回しに工場、って言ってるんじゃないの」「難しいね。スプーン1人で作れないかって言ったら作れるから。板買ってきて溶かせば作れるから。ワンオペの念力でスプーン作るのを工場、って比喩にしたんだ」「難しいですね」
八時間サウナにゐても大丈夫/翼
(爆笑)「超能力って言うかただの我慢強い人ですよ」「望みがしょうもなさ過ぎる」
寒卵雄か雌かを透視する/小佐治
「難しいんだけど、リアルな話すると無精卵ですから」「超リアルな意見だね」「売ってる卵ってほぼ無精卵なので」「ひよこ職人すごいね、1秒でペペペペって雄雌やってくじゃん。あれはすごいと思った」「リアルじゃないな、なんかないかな」「双子かどうか透視する」「あー、だったらいいかも」「違う中身見たほうがいいけど、卵の中身だけ見れる」
生牡蠣に中つて涼しい顔をする/翼
(笑)「サウナと一緒じゃん。超能力でも何でもないこんなの」「苦しいんだよ」「超すごい能力」
春隣パンチパーマの千里眼/惟久里
「仏像のこと言ってんでしょ。螺髪(らほつ)ですよたぶん」「パンチパーマ、螺髪のこと言ってるのか。でもそうすると春隣がどうなんだろうな」「パンチパーマはいいけど千里眼がくどいような気が」「千里眼は確かに仏かもしれない。仏像かあるいはブッダのこと。ブッダを千里眼と言うとちょっと違うんだけど」「急に鎌倉の大仏とか思い出したけどね。春隣、だと鎌倉のイメージ」「春隣とパンチパーマでヤンキーのイメージが。途中までヤンキーぽくていきなり仏になる」「仏像が千里眼っていうのも変だけどね」「『聖☆おにいさん』みたいな世界観」「先見の明があるのとまたちょっと違う。千里眼っていうのは遠くの物が見えるっていうことですね、千里先が見える」「この春隣好きだけど」「ポップですね」「熟読したい句ですね」「漫画っぽい」
※『聖☆おにいさん』(セイントおにいさん)は宗教を題材にしたコメディ漫画・アニメ。螺髪のブッダと長髪のイエスが東京都・立川のアパートで、下界での共同生活を送る。
冬の雷(らい)からだで稼ぐ超能力/みずな
(笑)「馬鹿らしくていいんじゃない。蓄電ですね、雷を浴びて自分の身体に電気をため込んで電気代を稼いだり売電したりする、そうやって儲ける超能力じゃないかと思います」「身体で稼ぐってことなの?」「自分が避雷針みたいに浴びて身体にエネルギーをため込んでっていう意味じゃないかな。身体で稼ぐって普通は売春のことですけどね」「伸びる肉ちぢまる肉や稼ぐ裸/中村草田男、好きなんだ。肉体労働を詠んでる」
瞬間移動マフラーを忘れたる/翼
「いいんじゃない」「ポップ目の感じだよ、ライトな」「忘れたる、なのか。マフラースッと落ち、でよかった。落つことし、だとじゃあねシュッて消えてマフラーがストンて落ちるアニメの滑稽さが」「忘れたる、だと置いてきた感じになっちゃう」「忘れたる、だと例えば東京から大阪に瞬間移動して、ああ東京にマフラー忘れたよって言ってる大阪の情景になっちゃう」「落としたほうがいいな絶対」「マフラー落ちにけり、ですか」「落つことす、でいいんじゃない。軽くやったほうがいいよ」
二回戦は季語に真正面から取り組む。
二回戦 大寒
(★=特選)
大寒の炒飯の山崩しけり/翼
「まあまあか」「50点っていうところか」「ジャッジが難しいな。音はいいし非常に詩情が深そうにも見えるんだけど、大寒の必要性も特にない気もするんだよね。真夏に炒飯崩すことはダメなのか」「殺伐とした感じは出ると思うけどね」「炒飯の山冷えにけり? 冷え、じゃつまんないな。崩したほうが面白いんだよな。光る、じゃ面白くないな。崩す、でいいのかな」「噴きにけり、でいいんじゃない」「火山みたいな」「そしたら夏じゃないとダメだな。崩す、をもっと丁寧にやりたいんだよね。最初の一差し目の感じを言いたかったんだけれど」「冬に炒飯の一差し目を入れるのはわかる」
大寒や納骨堂の広き口/ぽっぽ
「これはいい、けどわかんない。プレバトだったら取られそうな句がちょっとゾゾっとするんだよね」「合わせに行った感じがするな、納骨堂と」「大寒だったらこれじゃないって感じもするけどね。ほかに下に来る語が合わなくなる」「欠点はないんだけどね」「決め手もないんだよね、絶対この句じゃなきゃいけないっていう」「65点以上にも以下にもならない」「相対的には非常に優れた句だと思います。ただこの句がドンピシャに心に残って素晴らしい句だって言い張れるかって言うと言い張れない」「とりあえず例句としては合格はしてるってだけだな」
大寒やパステルカラーの電気鍋/みずな
「おお」「電気鍋、説明が必要でしょう。電気鍋っていうのは台湾だっけ、電気鍋って道具があるんですよ」「今ホットプレートとかでもおまけで付いてる」「炊飯器みたいなあれだろ。欲しかったけど高いんだよ」「電鍋ってものが台湾で元々あって、日本で最近流行ってるんですよ」「2000円くらいの安いホットプレートみたいな意味じゃなくて?」「ホットプレートとはおそらく別の意味で遣ってると思います」「ホットプレートとかの上のセットを替えると電気鍋にもなるっていう」「ただパステルカラーの電気鍋、っていうのが問題で」「一人で部屋でなんかやってるって情景が」「まあ変なOLだよな。手取り12万くらいの。流行りに弱い頭の悪いOL」「インスタに上げるために買いました感が」「大寒が合ってないんじゃ」「春隣がいいよね」「ああ、それならまだ救いがある」「パパな感じ」「パステルカラーのなにだったらいいんだろうね、難しいね。大寒とパステルカラーがそもそも合わない」「色味がないんだよね、大寒ってどうしても」
※台湾発祥の「大同電鍋」というものが日本でも数年前から流行している。1960年に台湾の大同公司が発売開始。900万の世帯数に対して累計販売台数1,450万台(2016年時点)であり、処分した数を考慮しても一家に一台くらいはありそうな計算になる。東芝が1955年に自動式電気釜「ER-4」を発売し、大同公司がその技術供与を受け発売。ライバルが多い中、ローカライズ(容量、温度、電力不足に対処等)して台湾国内では圧倒的なシェアを得る。2015年から日本で発売開始。
出典:打開鍋蓋說亮話─從日本電氣釜到台灣電鍋,Wikipedia「大同電鍋」
大寒の箪笥の角に指ぶつけ/小佐治
「ああ」「けっこういいかなと思うんだよな」「寒いと痛いから」「平々凡々感というかひねりがない感じが好きだけど」「詩情がないよ、痛みはわかるけど」「厳しいな」「大寒だったらどうなるかっていうのは、もちろん痛いよ、その痛みの反応でクッとも声が出ない感じの痛みなんだよね。そこを丁寧に詠んだらよかった気もしますけどね」「蠅とんでくるや箪笥の角よけて/京極杞陽」「いいっすね」
大寒の硯の中の黒い染み/小川
「おー」「面白いね。確かに黒い染みが残るの。黒に黒ってあるんだよな。これはすごい発見だと思うけどね。あれ硯海(けんかい)って言うんだよね、すずりのへこんでるとこ。中に、って言うより硯海にある黒い染み、くらいがいいんじゃない」「言葉だったらそっちのほうがいいですね。発見はいいね確かに」「黒にも白黒ってあるんだよね」
大寒のブルーシートを貼り直す/ぽっぽ
「あー」「けっこういいんじゃ」「温度感があるよね」「元々張ってあった場所に新しくホームセンターとかで買ってきたブルーシートを貼り替えたのか」「寒いからちょっと追加したとか」「そうしたら貼り足す、というか付け足す、というか」「前のがボロボロになってるから新しいのにした」「寂し過ぎるかな、句が全体的に。被災地のイメージになるんで」「ブルーシートに載せる石、くらいでよかったんじゃ」「他人事感があるかな」
大寒のぴえんと絵文字ひとつだけ/龍
「ぴえん合わないか」「春隣、でもダメなんだよな。エモくちゃダメなんだよねまず。難しい。逆になんの絵文字だったら合うのかよくわかんない」「ダイヤ」「それも変じゃないですかね」「開戦日(笑)。天皇からLINEが来たみたいな」「やっぱ大寒に合わない気がするな」
孫を抱き上げ大寒のスクワット/ときこ
(笑)「なんで急に運動になるんだろ」「馬鹿らしくていいかもな」「俳句って言うよりスローガンみたいな」「抱き上げて、終わったと思ったらまたしゃがんでるんでしょ。そこで終わんねえのかよまたしゃがむのかよって」「変だな」「時間の流れがわかんないや」「孫って言ってる時点で60歳以上で、ひざ悪くなってると思うから相当の運動かと」「ヤンキーなら40歳くらいだよ」「抱き上げてそこで行為としては終了してんだけど、そこでまたスクワット始まるって変だよね」「うれしくて頑張っちゃった、高い高いを何回もしたくなっちゃった」「いいかどうかって言うと、ちょっと微妙なとこだな。感覚は不思議だよね、ダメってわけじゃないけど」「悪くないんだけどすげえいいかって言われると」「明るいよね」「大寒のスクワット、だけでもいいし、孫を抱き上げスクワット、だけでもいいんだけど、両方合わさると」「順番とかなんかね」「要素が多過ぎ」「抱き上げることとスクワットって一緒にやんなくていいことやってるのが」「大寒のスクワット自体はいい。四回で終える大寒のスクワット、くらいの言い方だったら」「それいいね」「1回切れちゃってるから変なのか」
大寒の正座の続く見合ひかな/翼
「正座でするんだ」「和室でお見合いする場合、正座以外ないじゃん」「和室でお見合いとかあるんですか?」「今は減ったと思うけど昔だったら」「いや掘りゴタツじゃ?」「コタツ入らないよ。それは仲よくなってから」「普通に和室でお見合いする場合は仲人さんがいらっしゃって、先に男が座ってて、向こうの方お見えになりましたって」「儀式じゃねえか」「お見合いって儀式なんだからさ。話が盛り上がらない感じは出てるんだけど、正座の続く、で盛り上がらない感じをさらに重ねちゃってる。大寒の必要性が難しくなってきますね」「ちょっとくどいんでしょ」「なんだったら面白いかな。なんて言っても難しいなこの大寒の遣い方は」「緊張感は出てる」「我々が見合いをわかってないだけかもしれない」「俺もイメージだけだけど。やったことないからな」
大寒に始まる色の温もりよ/イチ
「わかんないな」「大寒にセックスをしたって意味じゃないかな。色、って言ってるから。大寒に初めてセックスしたんですよ、1年でいちばん寒いねって言って毛布を引っ張り合うような仲で。温もりよ、がちょっとつまんないかな。短歌っぽくなっちゃうな」「温もり、と両方言っちゃうと対比がきつ過ぎちゃうかな」「なんて言うと面白いかな。言ってることはわかる。これから大寒っていういちばん寒い時期に僕らはあったかいことをしてるねっていうその対比を詠んでるんだけど、温もりよ、を変えたほうがいい気がしますね。難しいですよ、色ってさっき言ったパステルでもないし、黒ってのも味気ないじゃないですか、セックスに黒じゃ」「この色、は艶のほうの色だから」「意味としては恋なんだけど、恋、としないほうがよかったかなと」「色、のほうがいいよね恋だったら」
芸人の賞味期限や明日大寒/光音座
「うーん」「賞味期限や、で切れて明日大寒、か」「時が流れていってる感じ」「松っちゃんだったらもう終わりなのかな」「時事ネタか」「賞味期限っていうのは、例えばM-1グランプリで決勝まで行ったけど半年で消えた芸人なんてのもいますね。明日大寒、変かな」「頑張ったけど、あんまり言わないかな。大寒イブ」(笑)
大寒のポニーテールの位置上げる/翼
「大寒がどうかってことでしょ」「春隣じゃダメなのかとかさ、わかんない。ポニーテールの位置上げる、うなじが出るってことだけど、エロいほうにシフトしたと思うんだけど」「マフラーしやすいようにとかじゃなくて?」「いや、でもポニーテールの位置ってよく直すじゃないですか女の子は。ヘアゴム取ってポニーテールを作り直す、あの仕草ってエッチだよねってのはわかる。でもやっぱり大寒じゃないよねっていう感じしますね」「立ち向かっていくイメージ」「キリっとした出したかった」「そうそう、前向きな戦っていく感じか」「そしたら大寒のポニーテールの真つすぐに、とか真っすぐと、でよかった」「直す、にするつもりだったんだよね」「直す、のほうがリアリティある」「受験生のイメージです」
大寒や買い出しはじゃんけんで決め/惟久里
「ああ」「大寒がうるさ過ぎるかなあ」「大学生感ってこと?」「花見だったら普通なんだけどね。難しいな。買ひ出しをじやんけんで決め七分咲き、くらい言っとくとよかったかもしれない」「大寒に買い出し行かなそうだよね、寒いから。ウーバー取ろうぜみたいな。大寒と買い出しが合わないかな」「昭和の大学生を想像し過ぎな感じがしますね。ウーバーでいいじゃんって、リアルな大学生像はそうなんですよね。令和じゃないよね。まあわかるけど」「ウーバー呼ぶまでもないっていうのもあるね、店の距離感が」「例えば学校の隣にコンビニがあるとかだったら買い出しはじゃんけんで決める、わかりますけど」
大寒の女子高生のこりこりと/小佐治
「こりこり、はなんなんだ」「こりこりするって普通軟骨を食べるとかそういうことじゃない」「女子高生が食ってるってこと?」「女子高生の軟骨を食べるの?」「こりこりと、って変だよね。しこしことじゃ変だし。しこしこと勉強するって日本語ある。2つ目の意味というか本義か」「いや、寒さで脚が締まってこりこりしてるって感じ」「ちょっと無理じゃないか。ぷりぷりとだったらわかりますよ。寒ブリっぽい感じするじゃないですか」「でもこりこりっていうのは、寒いからそういう感じになっちゃうってのもわかるよね」「乳首が硬くなってんだろ」(笑)「それならすぐわかるか」
大寒のスープにまわす溶き卵/ときこ
「難しいなあ。大寒以外レシピ俳句だしなあ」
大寒をそろそろ二月中旬へ/惟久里
「おお新しいかも。暦を変えようっていう。でもまあ無理かな」「サラリーマン川柳っぽいな」
★大寒やシャーペン分解して戻す/翼
「ああ」「けっこうよくない?」「いいんじゃない? この大寒の遣い方うまいんじゃないか」「シャーペンと合ってる気がするんだよね」「シャーペンを使うのは高校生くらいまででしょ。ということは勉強に飽きてしまって、勉強が進まないんだろうな。大寒の時期だからもうセンター試験が終わってああ国公立無理だなって言って」「その頃もありますね」「とりあえず日東駒専狙って」「そういうのも出るしね。あと絵がいいよね」「国立の後期狙うかなとか」「シャーペン分解して戻す絵が」「そう、戻す、がいいんだよね」「分解だけだと大寒に寄り過ぎてる」「銃なら冷たさとか」「ああ、銃を分解して戻す、ね」「銃だったらなにがいい? AK」「そうだねAK。ロシアの感じ」「大寒のAK分解して戻す。でもこれは大寒、効いてる気がするな。効いてるけどこれが本当に特選かっていうと難しいよね」「いいと思います」
大寒の脱衣所に入る覚悟決め/小佐治
(笑)「馬鹿句じゃねえかよ」「初めて女湯に入るパス度チェックしてるんじゃない」「オカマが女湯に入る」「初めての」「「女湯チャレンジ」「いやたぶん違うと思いますけど。寒いってだけだと思います」
大寒の餌台の実のまっぷたつ/惟久里
「身がなんの身かわからな過ぎるな。魚なのか果物なのか。餌台だといろんなパターンがあり得るからな、まっぷたつ、だから魚であってほしいけど、果物でも真っ二つって言うしな」「実は果物とかの実ですね」
宿直にパンと茶を差し入れ大寒/光音座
(笑)「はいご苦労様って感じ」「ちょっと懐かしいすね。空耳であるんですよパン、茶、宿直って」「『タモリ倶楽部』って番組の1コーナーで洋楽の空耳アワーってのがありまして、そこでパン、茶、宿直って聞こえるっていうすごい話題になったネタがあったんですね。まあたまたまだと思いますけど。この組み合わせはまあ合ってるねって感じ」「バケツリレーだけ覚えてる。バケツで水よこせっていうの」
大寒やヌードモデルの目の乾く/みずな
「あー」「目に視点行ったんですね」「ちょっと工夫したけど、2点くらいしかアップしてない」「ヌードになるから暖房たきまくってて」「大寒が飛んじゃってるんよね完全に」「難しいですね。大寒、やっぱ超難しいですね、お題が難し過ぎる」
大寒の広い背中で俯せで/ときこ
「ああ、これは人間に人間が乗ってると取るか、ライオンの背中にライオンの子どもが乗ってると取るか、まあいろいろ取り方が」「刺青彫ってるのかと思った。横になってる裸の男が浮かんだけどな」「ヤクザの背中に鯉とか彫ってるイメージですか」「マッサージかな」「マッサージだったら季感が出ないんだよな。動物だと思いましたけど。動物園の親子だと思うんだけどな哺乳類の。例えば猿とか。違うかな」「広い背中って、それでもう男気のほうに行ってしまった」
大寒の素早く閉じる換金所/企鵝
「お」「あー」「時間ピッタリ終わるんだねきっと」「いやこれたぶん、閉じるのはドアのほうじゃなくて、金景品入れるじゃないですか、スって引くその素早さを詠んだんじゃないかなあ」「閉じるってでも閉店のイメージだけどね。シャッター下ろしたと思ったけどな」「でもそうやって営業時間決まってるじゃないですか。パチンコ屋が23時まで営業してたらTUC(換金所)は23時10分とか15分とか」「中のおばさんが、外の冷気が入んないように」「金景品を入れるあの引き出しみたいなところをパッて引いた、それを素早く閉じる、って言ったんじゃないかな」「素早く、そういうことか」「寒かったんだろうおばさん」「これはパチンコの句だと思いますね。それ以外に換金所って言葉が」「ないだろう」「カジノじゃねえんだな」「でも実質換金所ですよ。交換所って言うのが一応正しい言い方だけど、換金所って言ったほうが、東京だったらTUCのことだという認識になると思います。県によって違うんですよね名前が。まあわかるけど、いい句かって言われるとダメですね」
大寒の橋の上なるランドセル/翼
「途中間延びしてる感じするな」「橋の上から小学生が突き落とされた事件性を感じるけどね。ランドセルが橋の上にあって、自殺かなそうすると」「ランドセルだけ残されてる」「地元でいちばんでかい橋の上に行って、遺書をランドセルに詰めて、僕は○○君にいじめられましたみたいなこと書いて」「そう言われるとそう思えてきたな」「橋の上なるランドセル、って詠んでるから、ランドセルが置いてあるのかランドセルを背負った子がいるのかで全然意味は違うけど」「ボーっと見てるんだよ」「いい句かどうか難しいよね、生きてるのか死んでるのか。仮に生きてたとして取ろう、橋の上でボーっと眺めてる小学生がいるとして」「橋の上なる、野暮ったい感じがしちゃうけどな」「橋の真ん中ランドセル、でよかったよね。難しいですね。音はいいと思うんだけど」
大寒やインコを肩に乗せて寡婦/ときこ
「寡婦はチョンガー、やもめ。シングルマザー、未亡人、独り者ってこと」「いろいろと詰め込んだね」「作り過ぎな感じもするけど。インコ乗せてて寡婦で。小説だとしても詰め込み過ぎててウってなる。作り込み過多な感じがする」「音が面白いんだけどね。「ホラーチックな仕立てにもっとできると思うけどね。17音だと難しいからなあ。肩に乗っけてる鳥がな」「インコを口にくわえ、みたいな? やり過ぎだな」「インコが離れたほうがいいと思うけどね。大寒やインコ離れる寡婦の指、とかそれくらいでよかったんじゃ。肩に乗せて,ってそれこそインコおばさんのイメージになっちゃう」「絶対インコおばさんって言われてる」「そうするとインコはあざといと思いますね。夫が亡くなって寂しいからインコを飼って、インコと2人っきりで寂しいっていうのを強く言い過ぎちゃってよくないと思います。むしろインコ捜してますのポスター印刷するくらいのほうが本当に寡婦として哀しい感じが出て」「捜してる」「あ、大寒のインコ捜してゐる寡婦、だったら面白いと思う。もはや夫にも死なれてインコにも逃げられて」「突き抜けた感じ」「インコを肩に乗せて、って気の狂ったおばさんになっちゃうんだよな」
大寒のチリチリしたる汽笛かな/小川
「チビチビがいいと思ったなあ。チビチビ鳴らす、でいいと思うんだよね」「いや、鳴らさなくていいんじゃないですかね」「チビチビしたる」「チビチビ、いいよね。寒い感じもして」「なるほど、チリチリだと変か」「チリチリだとよくわかんないな」「だいたい汽笛って船だったらボーっとか電車だったらポッポーみたいな」「音に寄せないほうがいいと思う」
★大寒のゆつくり動く天皇家/翼
(笑)「これはいいかも。年中ゆっくり動いてるんだけど、いや皆様寒いでございますねって」「テレビ観てる感じするね」「大寒がいいのか。例えば真夏じゃいけないのか」「いや、」大寒だから庶民の自分と天皇家の差が際立つみたいな感じするけどね。自分は家でテレビ観てて、ゆっくり動いてて大寒だなみたいな」「正月はダメだね」「正月だと自分もハッピーだから。けっこういいかな」「季語になると本気出す。超能力とかだと適当なこと詠むけど」「でも絶対速く動かないよね天皇家って」「年中ゆっくり動きますね」「慌ててるとこ見たことないんだけど」「そういう教育してるんですよ絶対」「帝王学っていう」「銃声とか聞こえても動かないのかな」「これ、天皇家以外合わないもんな」
大寒や泥だらけなる靴だらけ/惟久里
「春泥のイメージだな。大寒より春泥だよなと思っちゃうな。乾いちゃうからな寒いとね」「だらけだらけで、ちょっと音がだらけちゃいますね」
大寒の空いっせいに鳥を呑む/ぽっぽ
「大寒の必要性がわからない、秋の光景だっていいはずでさ」「よくできてる。でも大寒じゃなくていいってとこだね」「さだまさしの歌で、フラミンゴが一斉に飛び立つと空が暗くなるっていうの、あれはいいね、『冬のライオン』だったかな。アフリカ行ったときにフラミンゴが飛び立つと空が暗くなるって」「いいね」
※さだまさし『風に立つライオン』の一節でした。
大寒や胃カメラを待つリノリウム/企鵝
「リノリウム、なんだっけ」「病院とかの床に使ってある材料」「ビニールみたいな。たぶん温度感じゃないの」「もっと仰々しいほうがいいかもな。胃カメラじゃ逆に優し過ぎるから。ステージ4のリノリウムとか。もっと重たいほうがいい、胃カメラだと検査だからなあ」「病院の待合室の空気感ね」「手術くらいのイメージにしたいけどね」「病院の状況詠んだってことか。病院の廊下を詠んだんでしょうね。病院の廊下か待合室か。胃カメラ自体に深刻さがやっぱないから」「でもあんまり深刻にしないほうがいいのかな、難しいね。これは好みの問題じゃないかな、どっちが正解とは言い切れないね」
★大寒のラブホテルからラブホテル/龍
「デリヘル嬢かな」「そのまま○○さん××のホテルに行ってくださいって」「2回戦かと思った」「2回戦より働いてるほう。ちょっと哀しみ出てるじゃない、いいね」「そうすると大寒、がいいのか」「これは割りといいんじゃないの」「大した距離の移動じゃないけど一応寒いって感じ」「3軒隣のラブホテルに行く、そういう感じなのかな。デリ嬢のイメージですか」「男が1人ではしごしてたら最悪だけど。労働の句でいいんじゃない。寒いからあちこちの女のとこ行くんじゃダメだけど」「労働者側の目線だと」「どういうつもりだったの?」「女替えただけだよ龍だと」(笑)「男が行くのかプロの女の人が動くのか」「いや別に、外出たら寒かったからもう1回ホテル行こうぜくらいの気持ちで考えてました。最初ラブホテルの延長の話にしようと思ったけどつまんねえなと思って」
大寒や日本アルプスありがとう/龍
(笑)「これなんだ?」「寒いの大好き?」「また意味の分かんない句出てきたな」「真っ白で絶景だったってことでしょ」「リアリティゼロだから。絶対現場行ってねえだろ」「カレンダー見て作った」「(笑)頭おかしいんじゃ。ちょっとこの人ヤバい」「いや、タイムリーな話でさ、日本海側にすごい雪降るんだけど関東には全然雪降らないって」「そういう所にあるからね」「Twitterで話題になったんです、日本アルプスガードっていうらしい」「守ってくれてるって」「そうそう、関東を守ってくれてる」
大寒のゆっくり閉まる自動ドア/ときこ
「天皇家と一緒だ。天皇家は自動ドアだった」(笑)「どうなんだろうな」「さっきの天皇家に比べると弱いよね」「難しいね。例えば春愁ひ、じゃダメなのかとかいろいろ思っちゃう」「自動ドア速く動いたら危ないだろうって、それは必然性があり過ぎちゃうから」「悪くはないけどね」「左右異なる自動ドア、くらいは? それじゃ大寒は変なんだけど。このままだと普通過ぎるな」
大寒や師匠が高座ぎりぎりに/翼
(笑)「「噺家の話?」「立川談志とかそういうイメージなんでしょうね。「高座ぎりぎりってどういう意味?」「高座っていうのは2つ意味があって、落語家が座る舞台のことと、話す機会のことも高座に上がるって言う」「時間ギリギリに来たってこと」「寒くてグズグズしちゃったって」「絶対に8時までに来てくださいねって言ったのに、7時59分くらいにおー悪い悪いってサウナ行ってたとかそんな感じ」「でも噺家っぽいですね」「俺が来るまでつないどけって弟子に言う感じ」「いいね」「談志はなかなか来なかったって。みんな前の人が噺を延ばして延ばして来るまでドキドキして待ってる」「弟子なら鍛えるって意味もあるね」「トリは必ず大師匠がやるから」
大寒の列島ランダムに揺れて/ときこ
「大寒とランダムが最も合ってないみたいな」「新聞斜め読みして書いてそう」「新聞から単語つなぎ合わせたそのクオリティなんだよ。逆にそのバラバラ感がおもろい」
シンボルが行儀よくなるああ大寒/イチ
(笑)「シンボルは男性の金玉かな竿のことかな。チンチンが行儀よくなる、小っちゃくなるって意味かな。寒くて男性器が縮こまる」「これも天皇陛下か」(爆笑)「大寒関係ない」
大寒のガス代自動引き落とし/小佐治
「お」「あー?」「大寒や、がいいな。切ったほうがスッキリする。の、でつなげないほうがいいと思う」「結局弱いような気もするんだけどな大寒に対して。大寒が動くのかな」「いいと思うけど、寒い時期は。なんでそんなこと急に思い立ったかってのはあるけど、内容はいいと思う」「自分が持ってるとお金遣っちゃうから請求書払いから自動引き落としに切り替えたって意味でもあるかもしれない」
大寒や人の話をよく聞いて/仙葉
「聞かないほうがいいんじゃないの、聞く力ないほうが。どっかの人みたいに」
大寒のホットケーキへシロップを/みずな
「これも春のイメージだな。パンにバターたっぷりつけて、だからね」「パンにバタたつぷりつけて春惜しむ/久保田万太郎」
北陸に悪大寒がやって来る/小佐治
(笑)「ダメって言ったのに」「大寒ってつけてるからOKって言えばOKだけど」「冬将軍ですから」「今大変なとこだからね」
大寒の議員を辞めたくない議員/翼
「おー」「2回続けるのがなあ。大寒の議員バッジを強く締め、くらいで。逆に既得権にすがる人間の醜さを詠むんだったら、議員を辞めたくない議員、はストレート過ぎるよ」「俳句において時事ネタみたいなのはどういう位置?」「いいんじゃない。そっちに流れ過ぎても川柳っぽくなっちゃうけど、僕は時事ネタOKだし好きだし。ニュースをなぞっただけだとあれだけど詩情をそこに、自分なりの発見があればいいと思う。この場合は繰り返さないと面白くない」「議員を辞める議員かな。のほうがいいんじゃない」「でもすがるほうがみっともなさが出ていいじゃん」「そうなんだけど、辞めても議員と思ってない? わかんないけど」「議員辞めてもまだ議員、くらいが」
大寒のガスの溜まりし牛の腹/翼
「あー」「いいような気もするけどな。ガス、が強いかな」「牛のオナラ、メタンとかが入ってて環境によくないって言われてますね」「難しいね」「プロがわかる世界なんじゃない、牛を飼ってる人が」「寒いときそうなるんですか?」「寒い風景と牛の腹の絵はなんかいいなと」「穴空けて出すんだってね。この間ロシアで牛がみんな、食うものないとガスが溜まるのかわかんないけど」「窓がついてんのみたことある」「棒突き刺すと、膨らんでるのがスーって抜ける。けっこう衝撃的な映像だった」
清潔なソープのお店大寒波/ときこ
「大寒波、はダメですね。清潔なソープ、って意味わかんないですね。ソープが清潔でなかったらなんなんだって」「清潔な石鹸屋さんだったら? 普通の石鹸販売をわざとくどく言ってる感じ。キレイな石鹸ありますって言い方するんだ」
大寒の剃刀負けを慈しむ/翼
「肌が荒れてるんだろうな」「慈しむ、がくどいのかなあ」「難しいなあ、大寒だとこれくらいな気はする。慈しむ、可愛がって愛でる」「龍ちゃんヒゲが濃いからわかるんじゃない」「カミソリでキュッてやっちゃう、ああ血が出ちゃった、カミソリ負けする絆創膏貼るかオロナイン塗るかする」「剃刀負けにオロナイン」「ああ、いいと思いますよ。キャッチコピーみたいだけど」「オロナインは季語にはならないんだ」「オロナイン自体は難しいとこ。我々の句会だったらオロナインは冬の季語って言っちゃってもいい。ポカリが夏の季語で」「それは流派によって変わるの?」「流派と考え方で全然違いますね。歳時記に載ってないからそれは季語じゃないって言う人もいれば、我々みたいにかなりゆるく定義する人もいますね」
「今日のこれは残しといて、大寒だけ替えればいいからね季語を入れ替えて。下のフレーズけっこういいのあったから」
以上で終了です!!
最後までお読みいただきありがとうございました!!