りぼん句会報2023年12月22日(金)

正解は「貧乏神」。

ガリガリに痩せていそうな貧乏神と重い象との対比が見事。

全員不正解。

冬至に食べるとよいとされる南瓜(なんきん)、銀杏など「○ん○ん」の食べ物「冬至の七種」から、東南西北(トンナンシャーペー/麻雀での方角の呼び方)で一回戦の席題が決定。

一回戦 「東西南北」を一つ入れる

(★=特選)

プーマ右向き西成の福袋/たろりずむ

「なるほど。にせものってことなんでしょうけど、西成の福袋は流石にやり過ぎだよね」「西成に福袋ってあるの?」「ゴミ袋、のほうがいいよね」「プーマのにせもの作るか?」

冬の鹿おいしそうなり東大寺/ときこ

「おいしそうなり、のなりが変かな」

極北に生肉貰うクリスマス/企鵝

「極北って?」「北海道かな?」「シベリアとか?」「比喩で遣う場合は果ての地って意味ですけど、これはロシアとかシベリアって意味なのかな?」「極北の解釈が難しいですね」「クリスマスだからサンタの発祥地とか?」「北朝鮮」「それじゃないと思いますけどね」

東兄弟にじ色の木の葉髪/惟久里

「誰?」「東京三じゃない?」「漫才師?」「クイズノックのメンバー?」「東兄弟って双子がいるそうです。普通知らないんじゃない? でもそうだとしたらわかんなくない? 木の葉髪…夏の紫外線や暑さで髪の成長が阻害され晩秋から晩冬にかけて抜け毛が多くなること」「髪染めてるけどパサついてるイメージですか?」「ハゲてくってことだと思うけどね」「じゃあ嫌味ってことですか?」「東兄弟知らないからさ」「ハゲてほしいという願いかもしれない」「近所のおじさん兄弟を詠みましたって。木の葉髪はバーコードの髪で、近所のおじさんがそうなんですって。わかんないよこんなの(笑)」

※東京三(あずまきょうぞう)は俳人・秋元不死男の別名。

鮟鱇の提灯が指す北の果て/翼

「チョウチンアンコウってあんまり食べないイメージなんだけど」「食べなくたっていい」「海の中で光ってるライトが北の果てを指してるように見えたと」

冬木立南こうせつに遭遇/きもと

(笑)「冬木立と南こうせつの取り合わせいいなあ。なんか距離があるよね」

人参や南生まれの男の子/小川

「いいかもしんないなあ」「わかんない」「南生まれの男の子、って体言止めが気になる気もするけど。南生まれの男、じゃやっぱつまんないよね。人参や、が独特なんだけど、南育ちはチンコでかいとか謎のことを言わないと。なにもないんだよなあ」「南生まれの食べつぷり、とか」

ダブ東が持ち持ちと知らず三副露/小佐治

(笑)「麻雀で流局した後にブツブツ文句言ってるおっさんの句ですね。つまんないですね」

※ダブ東とは、麻雀で東場の東家の時の東牌のこと。3つそろえるだけで2900点以上が確定してあがれるので重宝されるが、自分が2枚、他が2枚持っていていつまでも牌がそろわない「持ち持ち」のケースもある。

双六に北緯三十八度線/たろりずむ

「お~」「38度線どうなんだろうね」「面白いかもな。例えば朝鮮半島を支配していたときに日本の領土として双六を作っていたら、こういう双六があるかもしれないよね。あ、でも38度線当時なかったから」「でもそういう双六があるって考えたら面白いですね」「日本の文化じゃないんだよね。韓国にあるかもしれない、朝鮮統一双六みたいのが」「偉大なる将軍様のアドバイスで1進むとか」(笑)「ゴールに将軍様が待っていたとかそういう感じなんでしょうね。ありそうでなさそうなんだよね、ちょっと面白いけど」

実南天元気があれば行く医院/ときこ

「なんで元気があれば? 逆だろう。実南天が効いてないような気もするけど」「言い方が微妙かもね。元気があれば診察に、くらいでよかった気がする」「そっちのほうがリアルでポップな感じする」「普通の人って元気がないから病院行くんだけど、メンヘラは元気があれば医者に行こうって話で」

西郷どんが犬を手放す雪野原/桃猫

「せごどん、って読む」「本当は犬嫌いだったんだろ?」「ダイエットで散歩のために犬を飼い始めたって話が」

お年玉で東京上野クリニック/たろりずむ

(笑)「そうか東京があったか」「東京上野クリニックっていうのはジャンプによく広告載ってる包茎の手術専門の」

東京上野クリニックCM10本

短パンで聖夜の南十字星/企鵝

「おー、どう取るか」「オーストラリアはあったかいからね」「オーストラリアの夜空を見上げて」「メリークリスマスと」「短パンや、のほうがいいですよね」「南半球のクリスマスを詠んでるのか。なんかいい気もするな。短パンで、が説明ぽくて気になる」「俳句ぽくするなら短パンの、だろ」「の、だとリアルですね。や、だとやり過ぎ感が」

酢なまこを全部西川君にやる/惟久里

(笑)「誰だよ西川君て」「あるある探検隊だ」「酢ナマコ好きな人がいたのかな、西川君全部食べてくれるよって感じで」「また知り合い出してるっぽいっすね」「近所の人じゃないの」「今日はご近所シリーズです、と惟久里さんから(笑)」

西川君と松本君のお笑いコンビ「レギュラー」

北極の欠片こっそり持ち帰る/桃猫

「あー」「ゆるい感じがするな」「別に持ち帰っていいものだからこっそりする必要がないよ」「持ち帰って融けたとかその後の状況まで欲しい気がする」

東京の雪の弱さよホームレス/翼

「あー、結句のホームレスいいっすね。第三者目線なんですけどそれがちょうどいい感じになってるかと」「東京の雪の弱さよ、かあ。これ絶妙と言えるか。ちょっと弱過ぎる感じもするけれど」「そっちがベタなんですけど結句で外してる感じがちょうどいい感じになってるなと」

きりたんぽ色の言葉や北の国/小川

「きりたんぽって白に茶色?黄土色?」「焦げた色」「一見うまく聞こえるけど全然意味がわからない(笑)」

池袋冬賞与日は北口で/小佐治

「ふだん南口でジュンク堂書店とか行ってる人が北口行ってホテヘル呼ぼうかなって思ったってことなんじゃないかな」「そうなんだ」「北口は風俗が多い、北口の西側には繁華街があって東側はサンシャインとかあるんだけど、ラブホが多いのは北口かな。だから普通にホテヘルを頼もうと思ったってだけの句だと思います(笑)」

南無三やシャコバサボテンの色変わる/仙葉

「天竺の話なのかな」「シャコバサボテンはピンクになる。可愛い花だよ」「南無三や、が外してる」「今いち成功してないよ」

Wikipediaより シャコバサボテンの花

★数へ日の北島三郎記念館/翼

「数え日と北島三郎記念館は合ってるような」「合い過ぎかも。紅白のイメージがあるから、ああもう年末だって」」「年忘れにっぽんの歌だよ」「数え日と合い過ぎてる。このフィット感が完璧過ぎて逆に気持ち悪いんだよなあ。音はメチャクチャいいと思う。意味をよく考えてくと合い過ぎちゃって」「それ以外作りようがないだろ。北島三郎記念館、で12音使ってるから」

スケーター東の角を曲がりをり/小川

「なにもないな」

古今東西卑猥な言葉を出し尽くす/小佐治

「山手線ゲームの別名が古今東西。お題を出してそれに沿った言葉を言うだけのゲーム。例えば山手線の駅名でもいいしトヨタの自動車の名前でもいいし。大学生が飲み会でやるとき下ネタに走るわけですよね。だからあるあるなんですよね」「もともと古今東西ゲームって言ってたよ」「大崎と田町が最後まで出てこない」

東山紀之の背や冬至風呂/企鵝

「小さいって馬鹿にしてるだけだろ」「背、って身長の話でしょうか?」「彼はシークレットブーツだって言われてる」「背中の話で、エッチなシーンかと思ったけど。東山紀之の身長は178cmって書いてあります」「公称でしょ?」「10cmくらい盛ってるのかもしれない」「背中だからジャニーさんといいことする話かと思ったけど。これからわいせつなことされる少年のイメージかと思ったけど」「東山は森光子にやられてる」「女に食われるってことですかね。冬至風呂はエッチな感じするけど。まあいろいろ取れますね」

北野映画とりあえず褒めるフランス人/小佐治

「うおうよく言ったというか、あるあるを言っただけか」「フランスの巨匠にもらふ冬帽子、とかいう句のほうが嫌味が効いててよかったな」

※フランスの巨匠が羽織るちやんちやんこ/たろりずむ 11月24日の句会にて

おでん屋が南アフリカ人を轢く/翼

「車とかでバーンと南アフリカ人をひいた。南アフリカ共和国だと白人が多いんじゃなかったっけ」「轢く、がわかりにくいって言うか」「微妙なとこですね」「暗闇でよく見えないからひいちゃったって話だけど、そうか黒人少ないのか、じゃダメだ」

北東向きの部屋お札に隙間風/小佐治

「よくわかんないな。鬼門の部屋だからってことか」「物件情報」「風水とかでも悪い部屋でお札貼ってたらそこに隙間風がピューって吹いてた」

カトレアが南の色をしてゐたる/小川

「さっきのきりたんぽよりは遥かにわかりやすいな。いいんじゃない?」「音はいいし」「カトレアが本当に南の花だったらあんまり意味がない」「中南米原産です」「ギリギリのとこだな」「いろいろな色があるんだよカトレア自体は、白とか紫っぽいのとか黄色とか赤とか」「みんな何色って思うかだよ南の色って聞いて。黒じゃないだろうしなあ」「俺は黄色って思いますね」「俺は赤っぽいかなあ」「南の色にある程度共通のイメージがあるといいんだけどな」

クリスマス待たず単騎は西で待て/翼

「要するに麻雀の話ですね。格言ぽく言ったのかもしれないけど、なにもカッコよくないですね(笑)」

※麻雀の単騎待ちとは、たとえば西など1枚の牌で同じ牌を待つこと。同じ牌はあと3枚しかないので通常あがりにくいとは言えるが、牌の選び方によってはあがりやすくなることもある。

東京は寒い遠回りのバスに乗る/ときこ

「どういうこと?」「中島美嘉に言われたらいいな」「歌い出しっぽい」「やってることメチャクチャだけど」「東京駅だと取るんだったら、電車だと寒いからバスに乗った」「人間が冷たいってことじゃないの。嘘の情報教えられて、これ東京行くよって言われて武蔵野線乗せられたみたいな。西国分寺で」(笑)「間違ってないけど超遠回りなんですよ。2時間くらいかかるんじゃないかな。そう案内した駅員がいたってツイッターで話題になってましたよ」

WikipediaよりRailRider氏による武蔵野線の図 確かに西国分寺駅からグルっと回って東京駅まで行けるが、中央線に乗ったほうが速いのは一目瞭然。

金策に東奔西走する雪夜/仙葉

「東奔西走を言いたかっただけでしょ、西に行ったり東に行ったり走り回るって意味なんですけど。人から借りたりとか期限延ばしてもらうとか。なんも面白くないな」「ダサいですね」「最初に東奔西走を持ってきて東奔西走金策する雪夜、にするといいんじゃないですか?」「あーいいですね。具体的な物出してもいい、小切手とか手形とかチラつかせても。東奔西走雪夜の手形、とか」

アノラック干されてゐたる西東京/小川

「アノラックって?」「防寒服、フードの付いた」「パーカーにちょっと似てますね」「前が開かない」「植村直己が着てたヤツだよ」「寒冷地や登山などで利用されるフード付きのアウターウェア。西東京があんまり意味がないよね。西東京っていうと西東京市を指す場合と武蔵野エリアを指す場合とあって、最近だと西東京市を指すことが多いんじゃないかな」

片恋の南くんの水洟ずるっ/惟久里

「ええ?」「『南くんの恋人』ってのがあった」「ずるっ、が南くんが自分ですすったのか口で吸ったのかわかんない。吸ってたら気持ち悪いですけどね」

主演/高橋由美子・武田真治 ドラマ『南くんの恋人』第1話

★着ぶくれて西川君の鼻ピアス/ときこ

「西川っていうと布団を思い出しちゃうな。着ぶくれと合い過ぎちゃうな」「西川君、は田舎のヤンキーっぽくていい気がするんだよな。固有名詞が強過ぎるんだよね。でも西川君ってのが埼玉のヤンキーみたいな感じがしていいんだよなあ」「北のほうがいい。北村君とか」「北村君、不良っぽいですね。西川君がどんな人なのかわからないけど、たぶんときこさんのお友達かなんかだと思うんですけど」

霜の夜に包まれてゆく北枕/翼

「なんかゆるいな」「普通に寒いってだけの句だな」

くだら野の果てに星形ありにけり/小川

「くだら野ってなんですか?」「奈良とか京都の地名?」「季語だ。朽ちた枯野のことだって」「星形って?」「わかんないな」

福袋の中を見るなと北京語で/たろりずむ

(笑)「言いたいことはわかるけど。笑い話として面白いですね」

左手にずしんと重き南瓜かな/龍

「なんで左手なの?」「右手がふさがってるってことでしょ」「ああそうか、右手に包丁持って」「持ったまま切らないよあんな硬いもの、手首ごと行くよ(笑)」「わかんないな、どっちの手でもいい気がする」「いやスーパーのカゴなんだけど、籠って入れると気持ち悪くて。買い物籠にずしんと重き南瓜かな、じゃ超つまんない俳句になっちゃう」「万引きがいいよ。万引きのずしんと重き南瓜かな」「ああいい。発想が違う」

あまりにも澄んだ関西おでんかな/桃猫

「お~。あまりにも、が効いてるかな。ケチくさいって意味なんですよねこれは、水を足しまくって。嫌味で言ってるんですね」「いや、これは褒めてる感じがするな」「関東の黒いのと比べて」「上品って言ってるんじゃ」「逆に上品過ぎるってことじゃないの」「京都人が言ってそうじゃないですか、お上品な味どすなあって。味が染みてない大根だなあとか」「驚いた感じがするな」「桃猫さん、どっちの意味?」「驚きです」「龍さん馬鹿にし過ぎなんですよ」

雪だるま背に北海の荒れてをり/明惟久里

「雪だるま、が可愛過ぎるかな」「北海に対してちゃち過ぎると言うか。北海の荒れてをり、はいい気がするけど」「流氷や宗谷の門波荒れやまず/山口誓子」

千葉よりも東は冬のニューヨーク/翼

「え?」「ディズニーランドのこと言ってる?」「さっぱりわかんない」「千葉より東はニューヨーク辺りじゃん」「いや西海岸があるので。ニューヨークはずっと東ですよ」

クリスマス東京タワーで待ち合わせ/桃猫

(爆笑)「小学校2年生くらいの俳句だよ、初めて作った人より下手だよ」「AIでも作れない」「馬鹿じゃない」「現地集合ってことですね。仕事終わりの20代のサラリーマンどうしで」「素晴らしい下手さだ(笑)」「これがただのツイートだったら読み飛ばすけど、短冊にこう書いてあったら俳句だからね」

句会当日は画家、木村哲雄の誕生日だということで。

二回戦 「てつ」の音

(★=特選)

撮り鉄が雪の電車を追いかけり/桃猫

「普通だなあ」「追いかけり、は基本的に間違った言葉。けりは四段活用にしかつかないから。追いかけたり、か追いかけぬ、かどっちかだよ。完了なら、ぬ、にしないと」「追いかけず、のほうがよくない? 撮り鉄だけど電車を追いかけないほうが」「ドラマチックにするならカメラレンズからのぞかないほうがいいかな、そのほうが知的な感じがする」「蝉時雨子は担送車に追ひつけず(石橋秀野)みたいな感じにすれば? 撮り鉄は雪の電車に追いつけず、とか」

※担送車(たんそうしゃ)とは人を寝かせて運ぶための車輪の付いた台、ストレッチャー。

国鉄職員総出の雪下し/ときこ

「新潟日報の記事」「4コマ漫画のオチというか」「なんか普通だな。雪下ろしをストライキしたら面白いけどね」

一徹が指差してゐるオリオン座/たろりずむ

(笑)「巨人の星」「飛雄馬あれが見えるか?」「父ちゃんあれオリオン座だよ」(爆笑)「飛雄馬が賢いパターン」

撮り鉄を突き落としてみる錦糸町/よかちょろ屋こうたろう

(爆笑)「馬鹿なんじゃないのこれ」「スカイツリーがキレイに見えるんだよね錦糸町の駅って」「総武線快速が止まるんだっけ。通過するからよく事故が起きるのは新小岩だっけ。錦糸町うまいですね、絶妙」

撤退の食パンのみせ都鳥/惟久里

「あー」「高級食パンの店メチャクチャ減りましたよね、一時生食パンの店みたいなのメッチャ流行りましたけど」

★春を待つ徹子の部屋に寝転んで/桃猫

「おー、ちょっと面白いんじゃない? ユーモアがあるよね。『徹子の部屋』は有名人が出て黒柳徹子と対談する番組なんだけど」「ディレクター感がある」「春を待つ、で徹子のさえずり感が出てる」「この固有名詞がないと成立しない感じがあるんだよね」

先生が明朝体の鉄を書く/小川

(笑)「京浜工業地帯の先生って感じ。ベルトコンベア養成所の」「明朝体の鉄って右側を三角形にボコってレタリングするの?」「ゴシック体のほうがよかったかな」

もう自分で歩けない黒柳徹子/きもと

(笑)「さっきと大違い」「寝転んでる理由がわかった」「そういえば黒柳さん最近歩いてないなあ」

手付かずのチキンを次の客に出す/たろりずむ

「資金て聞こえた。自民党の話かと」「パー券のキックバックを次の客に」「船場吉兆スタイルですね、手付かずの天ぷらを次の客に出す」「たろりずむさんより。親の職場で誰も食べなかったものを自分が食べてましたって」

鉄くずは磨けば売れる冬の風/桃猫

「下五が微妙過ぎるね。鉄くずは磨けば売れる、までちょっと面白いんだよ、お説教くささもあって。馬鹿も勉強すれば東大行けるみたいな」「ダサさもあって」「もっと、やませ吹くみたいなきつい風にするといいよ」

徹子の部屋の花柄の目貼かな/ときこ

「目貼って? …物のすき間や窓のすみなどに紙などを貼ってふさぐこと。すき間風に対応する冬の季語ですね」「渋い季語だな。でもイメージがね」「花柄が合ってるだけかな。外じゃないからなスタジオだからな」

鉄腕の懐手して始球式/企鵝

「なんかつき過ぎだなあ、鉄腕と懐手」「カッコいいものをカッコよくしちゃダメなんだよ」「懐手、で典型的なものを重ねてきてる」「稲尾だよ」「現役時代にすごいピッチャーだった人で、レジェンドが来たよって球場すごく盛り上がってて、偉そうに着物着て袖から手を出してないんですね。難しいとこだな、鉄腕がどうしたらいいのかな」「違うとこ行ってほしいね始球式じゃなくて。パチンコ屋みたいな」「あーいいですね」「同じ球でもパチンコ屋かって」

※稲尾和久:「鉄腕稲尾」と称されたプロ野球の元ピッチャー。通算276勝で、1シーズン42勝の日本プロ野球最多記録を持つ。

クリスマス別れた女の鉄面皮/ゆーり

「ダサい」「鉄面皮って?」「冷たい表情」「鉄面皮と別れた女の取り合わせがやだ」「別れた女が愛想よくするわけないだろ」「もっとシャキッとしてくださいよっていう感じ」

徹夜続き福笑ひでも爆笑す/翼

(笑)「ちょっと面白いんだよね。これシャブだと思うんだよね。仕事1週間休みだから三日三晩ラブホこもってシャブやろうって人の」「想像できるのがすごい」「普通にできて2徹くらいだからさ。もちろん大学生が2徹だよっていうのもわかるけど、大人で2徹とかできないじゃん現実的に。だから本当にラリってると思う。福笑いって笑うもんだけど大人になると笑わないじゃん。それがもうスイッチ入っちゃった」「決まっちゃってる」「徹夜続きで福笑いで爆笑するかって言ったら微妙なとこですけど」

哲学の道に落ちてた冬のシャツ/小川

「京都かな?」「冬のシャツ、が雑なんじゃないかいくらなんでも。これ違うもの落としたら面白くなるけどなあ」「銀閣のほうから哲学の道というものがあって」「西田幾多郎(哲学者)が散歩してたとこ」「冬のシャツがやっぱりあれかな」「もっと変わったものにしたほうがいいんじゃないか。亀虫のブローチとか」「4本指の手袋とか訳のわからないものが」「薬指とか」(笑)「ちょっとやですね」「変なもんが落ちてたほうがいい。冬のシャツ、はもったいないね」

JR東海そうだ京都行こうキャンペーンCM「哲学の道」編

火事現場野次馬整理のお手伝い/小佐治

(笑)「何を言いたいのか。さっきの東京タワーの句に近いっすね」「詩情がゼロだよ」

乗り遅れた星野鉄郎の口臭/きもと

「餃子食ってハーってやるシーンがあった気がする」「こういうシーンを覚えてて?」「別に。イメージ」

※星野鉄郎は漫画・アニメ『銀河鉄道999』の主人公。

鉄分が多いよ牡蠣も精液も/桃猫

(笑)「馬鹿じゃないの」「下五が最低」「ひど過ぎる」「チーズ鍋食いながらなに食ってんだ」

手袋の左はたぶん哲学堂/惟久里

「ちょっと面白い、これはいいと思う」「考えさせられるけどね」「たぶん、が気になるかな。でも手袋の左、はいい」「でも、たぶんと左の重ね、なんか気になるなあ。どっちかだけでいいかな」「落とした場所ってわからないじゃないですか。で、中野の哲学堂行って帰ってきて、あ、哲学堂公園とか哲学堂辺りに」「左に限定しなくてもいいと思うけどなあ、両方でもいいし」「でも手袋片方落としたから面白いんじゃないですかね、両方同時に落とさないじゃないですか」「手袋落とした、でいい。どっちの手かは読み手が考えりゃいい」「あざとく考えちゃう感じがする」「あざとさも全部込みなんじゃないの」「哲学堂は面白いんじゃないかな」「哲学堂だとその近くの人しかわかんない、もうちょっと知られたとこのほうが」

東京都中野区・哲学堂公園さんぽ

ジャニーズが出てないなんてつまらない/たろりずむ

「ああそうですか」「クレームや」「庶民のど真ん中の意見だよね」「普段NHK見てないヤツだよ」「これはよく言ったと思います」

ほうとうはクタクタが良し鉄火鉢/桃猫

「てっかばちって?」「火鉢の鉄バージョン」「惟久里さんより、てつひばちかもしれません」「てっかばちだとチンチロリンの丼だよね(笑)」

哲学の道を並んでクリスマス/ときこ

「同志社って感じがするな、同やんの7回生」「同志社っていうか高校生だろ」

初夢や何も喋らぬ哲学者/企鵝

「初夢じゃないほうがいい気がするなあ。せっかく後の何もしゃべらぬ哲学者、がいいフレーズなんだから。初夢は軽すぎる。寒椿とか花の名前入れたり」「カッコよすぎじゃないですか?」「初夢、だと中七より下のよさが消える感じが」「もったいない」「大晦日とか?」「もうちょっと離さなきゃいけない、大晦日と哲学だと近いから。初夢も夢って言葉自体が哲学に近いよね」「雪吊りや、とか」「景色いいかも」「難しいですね、そのままの時点でググっと来るんだけど完成じゃない気がしますね」「ズワイガニとか」「ズワイガニはちょっと…」「かに道楽(笑)」「それだと自称哲学者になる」

鉄の町海の町スポーツの町初日の出/翼

「SOGAっ娘。です」「京葉工業地域」「イメージ散らかってるよ」「蘇我駅降りると鉄の匂いするよ。八幡とおんなじ匂いだ」

付き合つてないから手繋ぐaikoの詩/きもと

「これはし、って読むのか? うた、じゃなくて」「歌詞だからし、だろ」「だったら歌詞って言ったほうがいいんじゃないですかね」「全体として『カブトムシ』ですね」

徹子の部屋の天国めきて年果つる/翼

「ちょっと面白いな。徹子の部屋は元々天国のような空間だけど、徹子さんが死にそうになって」「年果つる、が効いてる。年果つると天国めきて、が」「年果つるって死ぬって感じだからな、どうだろう。年の暮れ、のほうが」「そっちのほうがリアリティがあって柔らかい」

振り上げてミンチを作る鉄の棒/小川

「(笑)だからなんだよ」「人肉とか解剖してるんじゃない?」「北海道のラブホ殺人の気ちがい親子」

哲学の道と名づけた枯木立/小佐治

「いや、あるしねえ」「もうあるからなあ。あるものを名づけるって…。例えば東京に1本枯木立があってこっちは東京の哲学の道と名づけようって、ダサいよね(笑)」「かもしれぬ、がいいかもしれないなあ」「おー! それならいい。メチャクチャいいなあ」「茫洋とした感じ」

鉄箱にしまわれてゐた冬の蜂/小川

「なんなんだろうなあ」「冬眠した?」「確かに冬眠したみたいに動きが鈍くなる」「鉄箱になんで冬の蜂をしまうのかよくわかんない。鉄の箱まずなにに使うのかって話なんだけど。木だとわかるけど」

湯豆腐は斬鉄剣で作れない/たろりずむ

「豆腐だけ切れないんだよ、確か。柔らかいの切れないんだよ」「こんにゃくだった気がする」「でも俺、豆腐で歯が欠けた」(笑)「よかちょろ屋からこんにゃくです、と来ました」

絶叫す武田鉄矢の実家前/よかちょろ屋こうたろう

(爆笑)「よータバコ屋―!」「よかちょろ屋日記でした」(笑)

鉄棒に並ぶ小さな雪だるま/桃猫

「上に乗っけてんじゃない? 雪ウサギのほうがいいかな」「すごいバランス感覚ですけど」「『冬のソナタ』にそういうシーンがあったね」「懐かし過ぎる」「パチンコの演出だけど」

ぱちんこ『冬のソナタ2』より雪だるまリーチ

鉄球で壊す事務所や雪催/翼

(笑)「雪催い、ちょっと合ってるよね」「面白いんだよねなにか」「鉄球で建物壊すってあさま山荘以外見たことないから」「鉄球と冬のイメージであさま山荘」「飄々としてる感じがするなあ」「小渕優子の事務所だよ」「ドリル優子」

大雪も鉄道乗り継ぎ出社せり/小佐治

「鉄道乗り継ぎ(笑)」「手取り13万の句」「戦後のブラック企業」「普通は電車って言うよ。田舎の人だよ鉄道って言うのは」(笑)「わざわざ鉄道、って」「昔の人は鉄道って言うよね電車のことを」「頑張って品川まで行って」

諦めて作り始める賀状かな/ゆーり

「賀状かな、じゃなくて年賀状、でよかった気がする」

クリスマス鉄のパンツを見てゐたり/小川

「やらせねえよ」「さっちゃん」「これ意味そのまま取ると超つまんねえだろう(笑)。これリアルに鉄のパンツを履いてたら面白いんだけどね、スチール製なのかステンレスでもいい。鉄のパンツってたとえでしょ、貞操帯とか貞操観念の強い女とかそういう意味だと思うんだけど」「生殺しプレイみたいな。放置プレイ」「鉄のパンツを見てゐたり、がよくわかんない」「スチールウールのパンツ(笑)」「摩擦で火が着く(笑)。こするな危険」

U磁石と砂鉄で遊ぶクリスマス/たろりずむ

「おー」「クリスマスと合わないなあ」「悪い家庭なんじゃないかと。実景だったら面白いね」「二千円置かれてゐたるクリスマス、って面白かったな。それと同じ流れに感じる」「使い終わったカイロをもらって砂鉄を出して遊んでました、とたろりずむさんから」「実景なんだ(笑)」

じゃんけんに負けて独眼鉄の役/よかちょろ屋こうたろう

「独眼鉄ってなに?」「男塾の片目のキャラ。男とはなんぞや、鎮守直廊三人衆」「江田島と桃太郎以外名前覚えてない」「だからジャンケンで負けて役が回ってくるわけですよ。勝ったら桃太郎とかになる」「メジャーなのやらせてもらえない」「でも閻魔の三号生だから」

※独眼鉄は架空の学園を舞台にした漫画・アニメ『魁!!男塾』のキャラクター。三号生で「男とはなんぞや…!?」が口癖。三号生だけのいる天動宮と本校舎を結ぶ通路である鎮守直廊を守る三人衆の1人。

冬至梅切つて手付の金作る/仙葉

「手付の金作る、は言い方つまんねえなあ。切つてこさえる手付金、でよかったんじゃないかな」

手あぶりや今度の相手は撮り鉄で/惟久里

「新しく彼氏ができたってことじゃないかな」「撮り鉄って紹介の仕方ある?」「田舎だと早く結婚しなさいよってプレッシャー強いから、いい男いないの?村長さんいい人よ、みたいなお見合いの話が来るけど、彼氏作ったけど撮り鉄だったって話じゃ? 今度の相手って言い方がつまんないな。撮り鉄を紹介したる掘炬燵、くらいでよかったんじゃ」「君の眼鏡は車輪に似てるね(笑)」「すげえ気持ち悪いじゃん」「鼻筋が流線形だよ(笑)」

冬至風呂柚子が足りぬと星一徹/小佐治

(笑)「まあ星一徹入れるとなんでも面白いけどね。柚子が足りないで怒らないんじゃないかな。理不尽な怒り方するからな、柚子食べたらまずい、もっといいの買え!とか」(笑)

撮り鉄を辞めて痴漢に去年今年/翼

「よくわかんないな。撮り鉄を辞めたまではいい、痴漢になったのがよくわかんない」「電車が好きなんだ」「電車と関わっていたい」「盗撮?」「ハメ鉄」

手伝ひに同じ人来る雪下ろし/翼

「おー」「あー」「誰に頼んでも同じ人が来るんだよ」「雪下ろしサポートみたいな役所に電話したらいつも同じ人が来る、3丁目の田中さんみたいな人が来て」「限界集落か」「年齢とか60代とかわかるなにかが欲しい、同じ人来る、だと幅が広過ぎてストーリーが取りづらいじゃん」「嫌味ではあるけどね。同じ人って言ってそうじゃん」「限界集落感は出る」

お゛い゛仙゛葉゛こ゛れ゛や゛つ゛て゛い゛い゛?/仙葉

「哲雄です。それ以上言いません」

宝くじ売り場に鉄板入りの靴/翼

「襲撃するのかな。鉄板入りの靴っていうのは安全靴ですね。蹴られると超痛いんですよ」「季節労働者ってこと?」「低所得者が年末ジャンボを買いに来たって句か」「士方さんたちが」

ストーブに触る手つきで嬢に触れ/小川

「おっぱいに触るんだよアチッ!て」「気持ち悪いですね」「ストーブを蹴飛ばさぬやう愛し合ふ(櫂未知子)の本歌取りだよ」

鉄人がずつと持つてたホッカイロ/翼

「なんかゆるいなあ」「ずつと持つてた、がつまんないんだよな」「冷ましてしまふ、のほうが」「使い古した、のほうがいいよ」「料理の鉄人ですか?」「佐々木竹見。川崎の競馬ジョッキー」

※佐々木竹見は地方競馬の元騎手。主に川崎競馬で騎乗し「川崎の鉄人」と呼ばれた。1966年に記録した年間505勝は当時の世界記録。

撃鉄を起こしたやうな雪催/たろりずむ

「撃つ瞬間?」「撃つ前の予備動作」「これから大雪になる延長上? まさに今日の新潟県とかさ」「雪催、より大寒波のほうがいいな。雪催いって弱いかな」

逆上がり手伝はせてよ冬夕焼/翼

(笑)「冬夕焼、どうだろう? 逆上がり手伝わせてよ、がまずキモいんだけど、そこに冬夕焼を持ってきたミスマッチがあるよね。もうちょっと最後まで気持ち悪さで行きゃいいのに、冬夕焼で美しくとどめようとしたじゃんこの人は。同級生だったらピュアだけど、たぶんおじさん目線だったら気持ち悪くてしょうがないよね」「ナルシシズムが最後に入ってるんだよね。でも気持ち悪いんですけど」「逆上がり手伝うって腰とか脚持たなきゃいけないですから」「純な感情の気もしてきたな」「純な感情だったら冬夕焼じゃないと思う」「逆上がりと夕焼がつき過ぎですか? 逆上がりするのは夕方だし」「ちょっと逃げたな最後」

以上で終了です!!

最後までお読みいただきありがとうございました!!

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です