りぼん句会報2023年12月8日(金)

零回戦の正解は「鱈のひげ」。

タラの顔には下唇の下あたりに一本ヒゲがあります。

全員不正解。

鱈 illustAC

円高が急速に進んだので一回戦は「高」の字に。

一回戦 「高」の漢字

打ち上がる野球ボールや天高し/弦奏

「天高しは秋の季語ですね。ちょっと時季が合わないかな。言ってることはわかるんだけど当たり前なんだよね、打ち上がる野球ボールを見て天が高いなと思ったってひねりがないんじゃないかな。例えばだけど、打ち上がる大谷さんや天高し、くらい言うと手の届かない場所に行ってしまった感じが出ていいんじゃないかな」

江戸っ子が福袋買う高島屋/小佐治

「江戸っ子が福袋買うの? 今で言う江戸っ子っていうのは東京で3代以上住んでる人のことだけど、よくわかんない。江戸っ子の気性の荒さとかどこに出てるんだろうなあ」「江戸っ子も、だったらどうですか?」「まあそうですけどね。高島屋の福袋って毎回変な、誰が買うんだみたいなもの出すんだよ。家とか。何百万円の福袋とか目玉を作るんですよ。こんなの買う人いるんですか?いやもう予約が入ってて、っていうのがワイドショーの定番のネタですね」

集合は高田馬場のSEIYUで/よかちょろ屋こうたろう

「なるほど。高田馬場にスーパーの西友があったんですよ、隣がライブハウスだったんですよね『エリア』っていう、ヴィジュアル系の聖地。つまりヴィジュアル系のライブに行くってことですね」

高尾山駅に冬の月ほわり/惟久里

「ほわり、はどうだろう? 言ってることはわかるかな。高尾山駅に行く機会って東京の人は乗り過ごしちゃって行くかハイキングで行くかなんですよ。月が出てるということは夜ですよね。だから乗り過ごしのほうだと思います」「ほわり、は好きですけどね」「惟久里さんからコメントです。飲み過ぎた師走下旬の乗り過ごしです、と」

右左高さの違ふ注連飾り/遊鬼

「おー…なるほど。不器用なしめ飾りだって言ってるのか、アシンメトリーなデザインなのか。たぶん子どもが幼稚園で作ってきたのか。それをいいと言っているのかな。意味はいろいろ取れますね。普通に左右対称に作ろうとしたけどズレちゃった、あるいは設置するときにちょっと回転しちゃったのかも」

高円寺の古着おすすめ寒雀/ぽっぽ

(笑)「『寒雀』っていう古着屋があるのかな? …ないですね。寒雀はただの季語としての扱いなのかな。おすすめ寒雀って韻を踏んでるんでしょう」

少し背の高く見えちやう雪下ろし/膣ギロチン

「お? ちょっといいんじゃないかな。男の仕事なんですよ雪下ろしってのは、危険で。身長165cmくらいの少年が少し勇敢に見えたというか大人っぽく見えた、それで恋をしてしまったっていう意味じゃないかな。まあカッコよく見えたって意味じゃないからそんなに恋愛を意識しないかもしれないんだけど。少し背の高いっていうのはaikoの歌でもありますけど」「♪少し背の高い~」「見えちゃう、がちょっと引っかかるな」

古の高天原に雪催/小佐治

「たかまがはらってどこですか?」「具体的には宮崎県だっけ」「神様がいる所」「古事記に出てくる所ね。古事記に雪が出てくるってこと?」「出てこないと思いますけど」「いにしえ、がわからないな。だったら、や、で止めとけばいいかな。Tシャツや、とか(笑)」

高齢者施設五年待ちの葛湯/ぽっぽ

(笑)「厳しいだろこれ」「高齢者と住んでる身としては映像が浮かぶというか」「まだ特養入れませんかねえって(笑)。リアルですねえ」「葛湯が、高齢者がいかにも飲んでそう」「いい句な気もするけどね。5年待ちの、が変だけどね。これ高齢者がくずみたいに読めちゃうんだよね(笑)。心境はとてもよくわかります」

高く飛ぶ敵戦闘機にも届く槍/よかちょろ屋こうたろう

(笑)「槍投げで敵戦闘機を打ち落とすって作戦ですね、それが竹槍っていう話なんでしょう。竹槍で敵軍鬼畜米英の戦闘機を打ち落とせと」

高かつた毛皮のコートをフエークと言ふ/遊鬼

「これ詩情がある気がしますね。実際に30万くらいで買って、人に褒められるわけですねいいヤツだから。その時に、いやどうせフェイクだよって謙遜するんですよ。自分では本物だと信じて疑わないんだけど、もしかしたら偽物つかまされたかもという。『なんでも鑑定団』で弱気で値段書く人の気持ち」「あー」「恥ずかしさをごまかすために自分からフェイクだよって言っちゃうんじゃないでしょうか」「フェークと言われ、だったら、どうせフェイクだろって翼さんみたいなのが言うんだけど(笑)、これは自分で言ってる感じですよね。あるいは動物愛護団体がうるさいからフェイクですよって」(笑)

マフラーの引つかかりたる高架線/企鵝

「これはよく見るかな、危ないんだけどね。火事になったりするから。実際は見たことないけどよくありそう」

カリウム値高いのにまた烏賊人参(いかにんじん)/ぽっぽ

「あー」「イカニンジンってなに? …福島県中通り北部の郷土料理」「へ~」「スルメとニンジンを細切りにし醤油日本酒みりんなどで味付けする。これ、カリウムが多いってことなのかな」「「イカがそうじゃないですか?」「…スルメイカめっちゃ多いって書いてありますね」

Wikipediaの記事より いかにんじん

とても高い売り専でした年の暮れ/遊鬼

(北大路翼遅れて来場)「つまんねえ」(笑)「なめんなお前」

高架下のぬるいおでんでプロポーズ/ぽっぽ

「ぬるい、が意味がないよ。熱いおでんで別れ話のほうがいい」(笑)

高すぎる池田先生の聖遺物/よかちょろ屋こうたろう

(笑)「メルカリとかで値段つくのかなあ。売ってるのかなそもそも」

高専でロボットを組む冬帽子/企鵝

「おっ」「あー」「字余りでも高等専門学校って言ったほうがいいよ」「高専のほうがメジャーな言葉じゃないですか?」「それだとどんくささが出ないよ。僕はダボつかせたいから。楸邨も同じこと言いますよ。略語がよくない。YouTuberのなにがダメかって言うと略語使い過ぎるから。新奇さより技術なんですよ、新しさはいらない」

雪女に高笑いされ目が覚めて/惟久里

「技術がない。ダメですダメ」(笑)

高尾駅にて目が覚める忘年会/龍

「この前の三鷹に送り狼、とどっちが美しいか。言いたいことは一緒ですよ、内容でこれだけ変わるってことを意識してやってほしいな」

高裁の傍聴席の冬帽子/企鵝

「冬帽子、がつまんないね。赤ふんどしは?」(笑)「いや傍聴席で赤ふんどしは退席ですよ、警備員に連れてかれます」「傍聴席でおいおい教、にしちゃえばいい。♪お~いおいお~いおい」(笑)

おいおい教 K水寺逮捕寸前儀式

組事務所から高圧的な雪下ろし/遊鬼

(爆笑)「うりゃー!って。でも組事務所は面白いけどね、でも高圧的な、は変えたほうがいい」「久方の組事務所からの雪下ろし」「あーいいですね。出所して5年ぶりにあの人雪下ろししてるなって(笑)。高圧的、って言っちゃうと面白くないんですよ、高圧的なことはわかり切ってるんだから」

高周波見えると言う人と呑む/よかちょろ屋こうたろう

「これは陰謀論系の人とお酒を飲んでるってことですね。たとえば5Gが俺見えるんだよとか。…まあつまんねえな。呑む、が普通なんだよな」「食ふ、がいいよ。噛むとか」「抱くとかいいんじゃないかな」「高周波蹴る、は?」「面白い(笑)。高周波蹴ったらどうなるんだろう?」

高枝にひとり分だけ干菜吊る/惟久里

「干菜、が動くね。ピーマンでもなんでもいい」「柿とかでもいいんじゃないですかね」「ブラジャー干してたほうがまだいい」(笑)「ほかの句会じゃ褒められるかもしれないけど、うまいってのはいいことじゃなくて。首吊ってたほうがいい」(笑)「ひとり分だけ首を吊る、面白いですね」「間違ってはないけど、僕たちの句会には出さないほうがいいと思いますね」

「クリスマス 高級」検索履歴かな/龍

「このかな、は変じゃないか?」「僕ならまで、にしますね」「「クリスマス 高級」検索履歴まで。ああ面白いですね」「検索履歴めく、でもいい。そこはセンスなんですよ」

首都高をルーレットする鎌鼬/膣ギロチン

「ルーレット族という言葉がありますね。首都高の環状線を何周もする人たち。30年前くらいの言葉ですね」「ルーレットとかまいたちが面白くないね」「かまいたちは風かな」「直しようがない」

高い高いしている爺をくすぐって/小佐治

寒参り湯島に通う高校生/弦奏

「あー」「当たり前だよ」「受験前に湯島に行くというだけですね」「湯島、を換えるしかないよ。まだソープとかのほうが」「デリヘル嬢とかいいんじゃない? 湯島の辺りラブホいっぱいあるからさ」「湯島に足りぬ女子高生」

女子高生コート着込んで大久保公園/小佐治

「立ちんぼですね。最近けっこう摘発されてますけれど、大久保公園で男から声かけたり女から声かけたりしてますね。そのまんまですね。なんかやっぱずらさないと、コートがどうだったら面白いんでしょうかね」「シャンポン待ち。大久保と新大久保のシャンポン待ち」

※シャンポン待ちとは麻雀の用語で、対子(ペア)を2種類持ってあがりを待つこと。「三三東東」なら三または東が来るとアガリ。

高尾山カシミアのコートとヒール/小指つめ子

「あー」「ヒールがつまらない。下駄とかにしたほうが」「カシミアのコートで蕎麦すする、とかでいいんじゃないかな。カシミアのコートとヒールって、都会にいるそのままの格好で高尾山に来たというギャップを詠みたいんだと思うけれど、そのまんまだから面白くはないよね。下駄でも確かに面白いけど。カシミアのコート着てきちゃったって自慢なんだよねたぶん、港区で着るべきものを高尾山に着てきちゃったっていう。カシミアのコートなくすとか奪われるとかのほうがいいかもしれない。猿が持ってったとか」

宿坊の高野豆腐で歯が欠けて/ぽっぽ

(笑)「宿坊ってなんですか?」「寺の中の坊さんとかが泊まる宿」「精進料理を食べたら高野豆腐が出てきてそれが硬かったってことですか?」「200年前の俳句だよ」(笑)

将門の高層ビルに囲まれて/弦奏

「これは80年前の句だ」「大手町の平将門の首塚と呼ばれるものが今でも残っています」「面白くないよ、お前の思いが入ってなきゃ意味がないんだよ。それが実は反権力なのかうれしいのか言わないと、わざわざ作品にする意味がないんだよ」「それじゃ、将門にしょんべんをして辞表出す、くらいにして」(笑)「お前はどう思うんだよ首塚に対して」「ほとんどの人は首塚に対して思い入れがないんだよ。ただあの辺の銀行とか証券会社とか金融系に勤めてる人にとっては、そこの土地を荒らすと大変なことが起こるって信仰があるから、そこをうまく詠んだほうがいいよ」

冬の月高井戸十キロ一時間/小指つめ子

「高速道路の話ですね、中央道で渋滞に引っかかったというそれだけなんですけど、冬の月が面白いんだよね」「冬の乾いた感じと高井戸の音は合ってます」「10kmと1時間と、数字を2つ出しちゃったのは重いかなあ、渋滞ってそのまま言ってもよかったんじゃないかな、高井戸までは渋滞に、とか。10km1時間は具体的過ぎちゃう。もっと、アクセル踏む足も疲れてきたなあ感を出すと、冬の月が効いてくるんじゃないでしょうか」「高井戸10km1時間って関西の人わかんないだろうなその感覚は。都心からちょっと西の田舎のほうへ行こうとする道路ですね」

夕焼けを背に受け高校三年生/仙葉

「つまんねえなこれは」「♪赤い夕陽が校舎を染めて~」「高校4年生くらい言っとくといいんじゃない」(笑)「よかちょろ屋こうたろうさんから、舟木一夫の歌だと」

高田繁が好きだったのと冬の母/ぽっぽ

「元巨人の選手」「V9時代のセカンドだよ」「冬の母のイメージがよくわかんないな」

週刊ベースボール選手名鑑より 現役時代の高田繁

高収入バニラトラック追ってくれ/よかちょろ屋こうたろう

「追ってくれってどっちだろうな、街なかにあのバニラトラックがいました、タクシーの運転手にあのトラック追ってくれって言ったって意味なのか」「東京都内のナンバーだったりしてバニラトラックが。そうしたら違反になるから」「てことは警察の句だと。あれ千葉県とかから運転してくるんですか?」「そうですよ、千葉とか埼玉とか」

東京の繁華街でおなじみ バニラトラック

高見えのコートから出た南京虫/膣ギロチン

「高見えってのは高く見えるって意味のファッション用語なんですけど、例えばユニクロとかの安いファッションを買ってこれ3万円に見えるでしょっていう。おそらくSHEINとかで買ったら南京虫が入ってたと。トコジラミでいいんじゃないか? 南京虫の必要性がわかんないなあ。面白いと言えば面白いけど、南京虫って響きが」

十二月八日高級ソープ嬢/小指つめ子

「お? 開戦日か」「泡立てるソープ嬢、にしたいな。動きのあるほうが」「そっちのほうが真珠湾攻撃で泡立つ海の感じと合ってる。高級ソープ嬢だけだと抽象的過ぎるかな」

鯛焼を投げつけるほど激高す/遊鬼

(笑)「まあそれだけだよなあ」「鯛焼、が動くね。熱燗でもいい」「鯛焼を2個食べるほど、とかだったら面白いけど」

サルゴリラ凩割って高円寺/小佐治

「サルゴリラっていうのはこの間キングオブコントで優勝したお笑い芸人のコンビ。高円寺出身だそうです」

山茶花の揺るる高圧洗浄機/企鵝

「おー」「揺れちゃダメ、触れる、のほうがいい」「なるほど。ケルヒャーの高圧洗浄機がこう、山茶花を揺らしたのは明らかなんだよ。木にちょっと触れただけで揺れるじゃないですか、それを詠んだほうがいい」

お笑い芸人の島崎敏郎が亡くなったので、二回戦は持ちネタの代表であるアダモステのギャグ「ペイ!」に。

島崎敏郎 アダモステの扮装でコロナ退散祈願の歌

二回戦 「ペイ」の音

(★=特選)

三大疾病持ちだけどサンタ/小指つめ子

「糖尿病と高血圧とがん。逆に運動してそう」

※がんと心疾患と脳血管疾患です。けっこう重病です。

寒風にスペイン訛りの英語飛ぶ/小佐治

「スパングリッシュって言葉があって、メキシコとアメリカの国境辺りだとけっこう聞かれるんですけど」「寒風との組み合わせは面白いけどむずい」「ちょっとわかんねえなこれ。スペインって暖かい場所のイメージがあって」「暖かいのと寒風のギャップが」

ペイペイで買ったぶっといきりたんぽ/小川まこと

「あー」「きりたんぽは秋田の郷土料理。でもちょっとわかんないな」

PayPayで立ちんぼを買う年の暮/龍

「個人だとけっこうあるんだよね、プチって呼ばれる簡易的な援助交際で現金じゃなくてペイペイOKって書いてあるのがツイッターでありますね。性病うつったら連絡できるじゃないですか」

新兵ら走り過ぎたるクリスマス/企鵝

「新しい兵、高校卒業して新しく入隊した人かな。言ってることはわかりますね。でも走り過ぎたる、は変じゃない? 小走りをして、くらいじゃないかなあ。彼女と会うのに寮から抜け出してちょっと小走りをする。ちょっと片付けの動作が速いとか」「戦場の風景かと思った」「ああそっちか。平時の句かと思ったけど戦時の句ね。でも戦時の句だとしたら新兵がわかんない」「まあ過ぎたる、があざといってのはわかります」

男ゆえペイッとタピオカ吐きつける/よかちょろ屋こうたろう

(笑)「迫力がいいよね」「吐きつける、ってよく出たな」

ペイオフで戻る千円もやし鍋/ぽっぽ

「もやし鍋、が効いてる」「ペイオフって銀行の破綻の話だっけ。銀行が破綻するときに預金を個人だと1千万円まで保証するって制度だった気がする」「銀行破綻っていうでかい話ともやし鍋のショボさの対比がいいですね」「千円だけ銀行に預金してたわけですね。そしたらその地銀が破綻して」「もやし鍋、がカッコいい感じがする。意気込みを感じる」

憲兵のコスプレをして雪下し/遊鬼

(笑)「民間人をいじめるイメージ。靖国神社で雪下ろしでもするのかな」「いいと思うけどなあ、絵が。意外性がある」

歩けない扁平足を笑われる/菊池洋勝

「これはちょっと?ですね。ただ、これ作者が」(笑)「作者を言うと急に意味が変わってくるんですよ。歩けないってそういう意味か、ベッドに寝たきりだからって。作者がバレないとちょっとわかんない」

PayPayフリマに除雪車のプロペラ/惟久里

「へー」「これ、でもありそうだよね。除雪車にプロペラがあるの?」「除雪車のプロペラシャフトっていうのが確かにフリマにありますね」「おしゃれな感じがするな」

密閉をされる靴下大晦日/龍

「難しいよね、わかんない」「靴下に密閉をするって意味がわかんない。すげえ臭い靴下?」「だとしたら大晦日が効いてない」「大掃除じゃないのかな」「大掃除だったらそれはそれでわかり過ぎる」「これ季感が必要なのか。密閉をされる靴下、の時点で面白いけどね」「害虫が多いところだと密閉をするっていうのはあります。中に入らないようにガムテープですき間を埋めたり」「じゃあ海外に行ったのかなこの人は? ちょっと難しいな」

月餅の欠片の落ちる観覧車/企鵝

「あー」「おーこれは面白いんじゃない?」「月餅って?」「中国のお菓子」「中国のと日本の月餅とはちょっと違うけど」「横浜ってことかな」「横浜デートをして観覧車に乗り中で月餅を食べたらかけらが床にポロっと落ちたってことでしょう」

Wikipediaの記事より 月餅

スペインで頭がおかしくなってくる/よかちょろ屋こうたろう

(笑)「言ってることはわかります。バルセロナとかに行って葉っぱやったりドラッグやったりして」

冬帰省「しんぺいすんな」と茶封筒/小佐治

「お?」「なんかでもダサい」「しんぺいすんな、がダサいんだけどね」「全体的に冬帰省もダサいし、田舎のイメージ出そうとし過ぎてませんか?」「茶封筒も」「60~70年代のイメージ」「茶封筒はたぶん現金入りだよね。しんぺいすんな、がつまんないかなあ」

ペイ・ヨンジュンつもり忘れ/翼

(笑)「これ俳句じゃないだろ」

ポンペイのストーブの上の薬缶かな/遊鬼

「ポンペイ、イタリアの噴火してなくなった町。ちょっと面白いか」「なんかいいですね」「ストーブの上でシューって言ってるやかんが噴火を連想させるっていうことなんじゃないかな。なんかよさそうで意味が強過ぎる気もするな」

PayPayに履歴の残るおでん種/企鵝

「お~! いいと思いますよ。キャッシュオンの注文するたびにお金払うおでん屋台で、現金以外にペイペイ使えますって書いてある。大根100円、餅巾着200円とか、ペイペイの履歴に1個1個残っちゃってるから後で思い出しちゃう、そういう句だと思います。ただ説明臭くはありますね」「履歴にあったおでん種、のほうが。残る、っていうと説明感がある」「全部言っちゃうとつまんないんだよ、たとえば、ペイペイを八回使うおでん屋台、とかさ。言ってることは同じなんだけど、元の句は説明的過ぎるんだよね。しっくりは来るんだけど」

ペイズリは知らぬ敗戦国の人/よかちょろ屋こうたろう

(爆笑)「馬鹿過ぎる」「最高だなあ」

月餅を半分こするこが欲しい/菊池洋勝

「なんかもうちょい自虐じゃないほうが」「半分こして両方食べる、とか」「これ以上なにも言えないなあ」「幼稚園児と半分こするとか書いたほうが」「いや気持ち悪い」(笑)

門松の建蔽率が高すぎる/遊鬼

「建ぺい率は土地に対しての建物の面積の比率です。例えば建ぺい率50%って言うと土地100㎡に対して建物は50㎡まで建てられると。だからめちゃくちゃ狭い家に住んでる人かな、5~6坪くらいの家に住んでる人がでっかい門松買って」「店とかだったらあり得る」

ペイ済みの夫ゆず湯に柚子浮かぶ/ぽっぽ

「ペイ済みがわからない」「支払ったって意味なのかな? 意味がわかんない」「ペイズリじゃなくて?」(笑)

冬館密閉瓶に人の指/遊鬼

「冬館って言うとサスペンスの雰囲気が出ちゃうから。殺人事件で嫌がらせで人の指を送りつけるっていう描写がよくある」人の指じゃないほうがいいかも」「ここからミステリーの小説が始まっちゃう」

職業性疾病を経て雪女郎/光音座

「職業性疾病ってのは職業柄なりやすい病気のこと、原発作業員ならがんみたいに」「雪女郎自体が職業性疾病みたいな感じ」「女郎をやってて性病になった?」

月餅が凍りかけてる歳の市/遊鬼

「おー」「これいいっすね。でも歳の市がリアリティがないか。淡々として写生句としていいなと思ったんだけど」「歳の市そんなに観察したことないけど、月餅が屋台で売られていて、本当にそれを噛もうとしたら硬かったってことならわかる」

偽外人ペインと叫ぶ親不知/よかちょろ屋こうたろう

(笑)「詰め込み過ぎなんだよ、わかるけどさ」「面白いですね、叫ぶんですね“痛み!”って」(笑)「3コマ漫画だよ」「親知らずが生えてきてペインと叫ぶ、このニセ外人感が面白いと」

金平糖溶け出すクリスマスケーキ/遊鬼

「まあ普通かな」「溶け出す、のところがなんか」「逆だと思う。金平糖をこつそり足してクリスマス、くらいでよかったんじゃないかな。クリスマスケーキに大事にとっておいた金平糖を足してったいう、5歳児の女の子くらいの目線のほうが」

PayPayの説明に飽きセロリ噛む/惟久里

「セロリ噛む、か。この言葉じゃなければいけなかったのか悩みますね。ビール飲む、じゃいけないのか。そもそもペイペイの説明どこでするのかって話で」「客側なのか店なのか」「決済時にそんなセロリ噛みますかっていう。難しい」「説明に飽き、がわからない。営業を受けてるって可能性もある、ペイペイの導入いかがですか?って」「そんなとこでセロリ噛むってファンキー過ぎるだろ」(笑)「いろんな状況が浮かびますね」

PayPalのパスワード変え初時雨/光音座

「ペイパルのパスワード、には意味がないかな。詐欺が多いから定期的にパスワード変えましょうってのはわかるけど。電話でパスワード聞くとかだったら面白いんだけどね、初時雨と一緒に寂しい感じが出る」

芸能人にペイントされたシャッター街/小佐治

「これ説明になっちゃってるよね、景は好きなんだけど」「テレビの企画で街を明るくしようとか言って芸能人がペイントしたんでしょう。商店街の白いシャッターに絵を描くことで寂れてないように見せようっていう街おこし」「芸能人の誰かを描いたとかじゃなく、芸能人が絵を描いたと」「で、結局シャッター街が開くことはなく寂れていく」「プレバトの企画でありますね」

ペインクリニック鮟鱇の吊るし切り/ぽっぽ

(笑)「ペインクリニックは痛み専門のクリニックのこと。神経痛、腰痛とか」「アンコウの吊るし切りは合ってるような気がする。自分はペインクリニック行ってて情けねえみたいな」「この句のよさを100%説明できない。アンコウの吊るし切りは残酷な見た目だから対比をしてるんじゃないかな」「痛みに関係した対比がありそう」「SMの究極形って感じがする」「魅力はあるけど取りづらいですね」

★着ぶくれて並んでペインクリニック/遊鬼

(笑)「ペインクリニック2連続か。でもこれは俳句っぽいんじゃない? 人間の弱さの極みみたいなものが出てる」「ちょっとダサいのがいい」「ペインクリニックに通っちゃう自分のダサさ」

おじさんののっぺい汁を飲まされる/遊鬼

(笑)「ひど過ぎる」「のっぺい汁は根野菜を中心とする煮物の汁ですね」「言葉が汚いよ、狙って作ってる」

手マン時はジミー・ペイジを意識する/膣ギロチン

「あー」「ジミー・ペイジって?」「ギター弾き」「繊細な細かく弾くのが得意なんですか? すごい細かい指の動きをするんだ。意識はしなくていいんだよね、ジミー・ペイジのごと手マン、くらいでよかったんじゃないかな」

ジミー・ペイジ 『天国への階段』ソロ

どうしてもペイせぬ本屋冬ざるる/惟久里

「なんだろう? ペイするは経営用語だと思いますね、家賃をペイするとか。要するに売上が低いってことかな」「投資費用が回収できない」「Amazonに押されて紙の本が売れない」「まとまってるけどあるある感がある」

醤油のみ出兵を拒否クリスマス/小指つめ子

(笑)「普通だなあ」「醤油飲むと高血圧になって」「赤紙が来て戦争行けって言われたけど、醤油飲んで高血圧になって兵役免除されると」「馬鹿過ぎるだろ」「いや昔あったんですよ」

曲がり家であったまるよと三平汁/小佐治

昨晩の竹箆返しか冬の朝/仙葉

「しっぺって漢字があるのか」「…つまんないですね」「漢字は面白い」

スペイドのエースを見せびらかすディーラー/小佐治

「見せびらかすの意味がわかんないな」「エースはブラックジャックやテキサスホールデムだとキーになるカードなんで、それを見せびらかして射幸心をあおってるのかな、カジノで」

習近平ペイペイで隠蔽/仙葉

(爆笑)「ジョイマンですね」

扁平足と寒けい古/小指つめ子

「これはどうかな(笑)。扁平足の寒稽古って言われればわかるけどね。新入生の扁平足の寒稽古、くらいでよかった気がする」

スペインはどこの辺だか深海魚/翼

「夜の店のイメージ」「深海魚から見たら陸地はどこの国でもいいってことかな」「深海魚がいる店なんじゃ?」「けっこう句としては面白いか」

後づけのペイをポンする三××/翼

「読めません(笑)。後づけのポンは麻雀ですね」

※後づけのポンとは、麻雀で最初あがり役ができあがっていない状態で、メンゼンツモ、リーチなどの役を放棄してまで他者が捨てたペイ(北)などの牌から同じ牌を3枚そろえること。あがりたいときに役がない状態になることもある、少し危険な行為。

オーペイペイマーウォーヨ/翼

「読めたけど意味がわからない(笑)。中国語ですかね?」

以上で終了です!!

最後までお読みいただきありがとうございました!!

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