現在の屍句会は2017年頃から断続的に行われて、2019年頃から週一回やるようになったもの。
コロナ禍で歌舞伎町がゴーストタウンのようになったときもこの場所から放送を続けてきた。
正解は「めしひ」 。ブラインド。
全員不正解。
一回戦
「城の跡地にあるもの」
冷蔵庫レンジテレビを捨てて露/桃猫
「朝なんだ」「全部想像つくから、一個くらい変なものがいいな」「天高しでもいい」
あやちゃん賽銭取ってきて/よかちょろ屋こうたろう
神社(笑)
中華そば五倍に値上げした日高屋/海音寺ジョー
「あー」「目高屋って書いてる」「看板似せてね(笑)」
花畠小銭稼ぎの駐車場/ダリア
「上手い」「花畑がなあ」「花畑くらい何もないところだけど昔はお城があった」「小銭稼ぎの駐車場がいいね、一時間800円くらい」
酒瓶の横に冬雀の生きる/こばると
「そんなに荒れるの?(笑)」「冬雀の生きて、にするといいね」
尿せよといふのか巨大なトウカエデ/すみよし
「ちゃんと、にょう、ってフリガナついてる(笑)」
ビニ傘は折れたら捨てる文化の日/翼
「文化の日は言いすぎかな。折れても使うだったら面白い」「(笑)確かに、使うがいいね」
団栗で買った子供のレアカード/リック
「かわいい「
十六夜や思い出横丁パート2/喜奈子
「あー」「これはいいね」「上手い」
秋惜しむドールハウスの展示館/みずな
「やかた、ね」
秋嵐城に遺りし刀傷/仙葉
(笑)「嵐じゃない方がいいね」「この句は菊池千葉」「お前がつけたんだろ(笑)」
何もない小さな空き地小鳥来る/桃猫
「何もないと空き地は同じだからな」「土下座した小さな空き地、がいいよ」(笑)「あぽちゃんのアンサー」
キャバクラの彫刻近代美術館/すみよし
「キャバクラが昔あった」「いいクンニにしようキャバクラ幕府」(笑)
後の月あのキャバ嬢のライバル店/光音座
「いいじゃん、俺のアンサー句」「光音座さん」「勉強してるね(笑)」
※キャバ嬢と見てゐるライバル店の火事/ 北大路翼 『アウトロー俳句』
山葡萄と 落ち武者だけ 城の跡/小指つめ子
「の、を入れて音を合わせたいね。切れちゃうからね」
おつパブに父帰る日の夜長かな/すみよし
「あー」「父かぶれる」「菊池寛」
たけし城襲撃さるるフライデー/たろりずむ
(笑)「それ最初面白くなりそうなのに下が最悪(笑)」「出オチ感が(笑)」
国民の反対押し切り巨大とろろ汁工場/遊鬼
(爆笑)「とろろしなかい」「粘り強い国民(笑)」「零回戦、最後だからとろろ汁の句を探したんだけど、まともな句がなくてさ(笑)」
ホームレスですが城に住んでます/膣ギロチン
(笑)「なるほどね」「スレタイっぽい(笑)」「城に住んでるけど質問ある?(笑)」
秋寒し濠の辺りの朽ちし句碑/森川
「濠の辺りが効いてないかな」「手入れする人がいなくて倒れたりするからね。句碑は」
爽やかやプリクラの台新しく/喜奈子
「ご当地のプリクラだね。城の中にある」「プリクラ台の新しき、だね」
ありがとうを言わぬコンビニそぞろ寒/小佐治
(笑)「なんとか城店のコンビニにしそう」「熱海城とか(笑)」「秘宝館作ろう(笑)」
蟋蟀の髭が付いてるコンドーム/翼
(笑)「やだね、それはね(笑)」「城の跡にいっぱいあるよ(笑)」
お婆さんのお尻の下に句碑がある/響子
(笑)「あー」「いいじゃん」「墓であったか、だね」
※石に腰を、墓であったか/山頭火
霜降の句碑にスト缶供えられ/膣ギロチン
「霜降」「供えてるの?」「墓だね」
猫が子を咥えてラブホの秋時雨/リック
「どこが城?」「秋時雨は寂しすぎるかな」
クレムリン宮殿が建つ五稜郭/たろりずむ
(笑)「じわじわ北方領土が南下している(笑)」
竹槍を押し付けられてゐるあやちやん/ゆり子
(笑)「捕虜として使い道があるかな(笑)」
十六夜駐車場隅忠魂碑/森川
「素材が三つ」「三段切れが目立つかな」
ヒーターは二つ二畳の換金所/喜奈子
「あー」「そんなに寒いの?シベリアか(笑)」「監禁かと思った(笑)」「パチンコ屋が建ったんだね」
砂の城跡地見学ツアー秋/みずな
(笑)「これ冬がいいな(笑)」「ぼったくりのガイド」
ドッグラン兵どもが夢の跡/筝曲
(爆笑)「少しおしっこしてそう」
名月や連れ込み楽し老二人/くみこ
「おいふたりって読むのかな。老人二人」
一度つきりの朝市アスパラガス/響子
「フレッシュさがすごい」「いいですね」「アスパラ春だよ」「街は季語知らないんだ(笑)」
この土地も墓になりたがつてた秋/すみよし
「いまいちだな」
啄木が寝転んだ草食べてみる/小佐治
「あー」「来づ方のお城の草に寝転びて、か」
※不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心/啄木
山盛りの唐墨のモニュメント/岩佐
「あー、あるかも」「親不孝通り」
鯔飛ぶや人に言葉を飲むありて/こばると
「魚の鰡(ぼら)。ドブとかに住んでる」「河口とかね」
公園に鳩を集めてマジシャンに/小佐治
「古いなあ(笑)」
コストコが出来て秋祭りを仕切る/遊鬼
(笑)「これはいいですね」「屋台の方が高そうだよね」「ホットドックが店の三倍の値で売ってそう」
多少の心当たりはある人骨/よかちょろ屋こうたろう
(爆笑)「あれ、小佐治がいないよ」「上手いですね」「ちょっと猫背の眼鏡の(笑)」
空井戸の残る学校虫すだく/企鵝
「時間が長すぎるかな」
闘犬に賭ける札束ぬくめ酒/みずな
「闘犬場ができたんだ」「今は動物愛護があるのでできないんですよね」「これ、かっこいいよね」
口下手の ボランティアガイド 冷ややか/小指つめ子
(笑)「ニホンジンキライダヨ(笑)」「よくしゃべるボランティアもいますよね」
ピンサロにリニューアルしてる砂の城/随三
「のどちんこです(笑)」
五十円自販機新宿へ流星/喜奈子
「自販機、で切るんだね」「ドリンクが買えるの」「家族計画」「城の跡にこんなのあるの?(笑)」
城ブーム終わつた後に行つてみる/かとたく
(笑)「あーなるほどね」「ひこにゃん」
稲妻や宇宙戦艦ヤマト発つ/遊鬼
「発進の発」
ペイパルのQRコードのみある廃墟/随三
「誰か死んで募金だけまだやってる」
猿が柿奪ひ合ふ城址公園/筝曲
「これこないだの猿山の猿を殺して大騒ぎが面白かったな」
敗戦日みんなで通ふ射撃場/遊鬼
「山上君を思い出すな」
鉄棒に心霊写真よく写る/企鵝
「鉄棒を舐めてる小佐治」
石碑前不登校児の夏泊/リック
「トー横だな」
冬めきてメキシコ人の小料理屋/海音寺ジョー
「めきめきって言いたかった(笑)」「なんとなくいいね」「空気感が可愛い」
タワマンの名前はキャッスル火恋し/遊鬼
「いいね。桜蔭の隣にタワマンができると噂になってましたね」「変態は三階を買う(笑)」「火恋しが効いてるね」「床暖の感じ」
こんなにも小さい米軍基地の夜/岩佐
「おーー」「花村萬月」「上手いねえ」
無花果が花壇に刺してある初冬/翼
「無花果も季語だもんなあ。あ、浣腸のことか。なるほどね。城の跡がハッテン場になったのか」「察しが遅い(笑)」
ラブホテル一城去つてまた一城/すみよし
「一難去ってまた一難にかけてる。ラブホテルって田舎では城みたいだもんね」
年寄りのゲートボール場五面/きもと
「高齢化社会だ」「五面より六面がいいんじゃない?」
スクラップ記念公園九龍城/けーしー
「普通かな」
敗戦後皇居の広場青姦を/けーしー
「不敬罪ですね。江戸城後なんでそうなんでしょうけど」
秋雨や前の藩主の隠居跡/森川
「感傷的だなあ」「前と後がなあ」
日本刀の搬出作業釣舟草/ゆり子
「釣舟草は、蛍袋みたいな。取り合わせは上手い」
濠のあるタワマン三十五階建/すみよし
「もっと高い方がいいんじゃない?」「115階(笑)」「うまい(笑)」
とろろ汁に特化している炊き出し屋/桃猫
(爆笑)「元気になる」
割礼を専門とするクリニック/よかちょろ屋こうたろう
(爆笑)「上野クリニックみたいな(笑)」「ユダヤとか」
秋の空独占したる皇居かな/龍
「いいね」「周りに建物がないんだね」
天皇が来た公園にテント満つ/すみよし
「いいね。皇居村」(笑)
公園の出口に茶屋のあり秋雨/こばると
「ある、がいいかな。出口に茶屋がある。最後まで金とるのって感じ(笑)商魂たくましい。これいいじゃん」
能面のやうなキャバ嬢秋の宵/くみこ
(爆笑)「福島の近くにいっぱいいる」
日本一大きなスタバ小鳥来る/遊鬼
「いい句だけど大きいとついちゃうかな」「信長のいたとか、適当にした方がいいんじゃない?」「鳥帰るとか」「いいね」
拝観料やたらと高い阿弥陀堂/海音寺ジョー
(笑)
こちら千代田区千代田1-1です/よかちょろ屋こうたろう
(爆笑)「なるほど」「皇居」「本籍にする人が多いらしい」
地下牢をリフォームした老人ホーム/海音寺ジョー
(笑)「海音寺ジョー」(笑)「お前か」
ブルーシート敷いて即席植木市/桃猫
「植木市は即席でできない。重いから。骨董市とか」
花野かな新宿砂の城の跡/遊鬼
「アスファルトだから何も生えないよ(笑)」「枯野だよ(笑)」
身に入むやKADOKAWAスパイ養成所/光音座
(爆笑)「あぶないあぶない(笑)」「結構上手い気がする」
爆心地ニーハオと言い野糞せり/随三
(笑)「城の跡が爆心地?(笑)」
いがぐりを拾いに戻るランコース/夢の二
「これいいんじゃないかな」「皇居ランってこと?」「走っていて戻る」「ランコースが綺麗すぎるけど内容がいい」「乱交す、に聞こえる(笑)」
長月や秀吉が出るパチンコ屋/夢の二
(笑)「いいじゃん」「十月?」「九月だよ」「数が合わないんじゃないか(笑)」「ハンカチに包まれている薬指(笑)」
北大路翼の隠し子随三です/随三
(爆笑)「俺のはもっとデキがいいよ(笑)」
月代やチェーンではないタピオカ屋/喜奈子
「ヤクザがやってるってことでしょう」
芋虫がすごく元気な花屋さん/海音寺ジョー
(爆笑)「いいなあ」「可愛い」「無農薬(笑)」
冬隣城の跡地のカジノかな/遊鬼
「普通だな」「ヨーロッパなのかな」「城の隣とか中がいいな」
城跡に夜な夜な龍さんの声/たろりずむ
(笑)「呪われてるなあ(笑)」「挨拶句だね」「なんであがれないんだよお(笑)」「句会でない。麻雀しかやっていない(笑)」
夏草や愛の残滓ぽつりぽつり/リック
「愛の残滓?」「名残って読ませる?」「コンドームです」「そういう言い方はしない方がいい」「息をしない精子とかがいい」
ホームレスがぞろぞろ集い毛布敷く/桃猫
(笑)「リアルすぎるよ(笑)」
屍の対極をなすライザップ/よかちょろ屋こうたろう
(笑)
絶対に当たらない占い屋敷/海音寺ジョー
(笑)「絶対に当てる気がない、がいいよ」
アントニオ猪木の像や百体目/岩佐
「百体目か」(笑)
虫時雨打ち止めのない駐車場/喜奈子
「上限がない?」「車止めじゃない?」「最大限がないってこと。あっというまに万単位になる」「なるほどなあ」
天高し以外と低い天守鶴/箏曲
「高し、じゃない方がいい」「この句漢字間違いだらけ(笑)」「花むくげみたいな微妙な高さの植物にするといいね」
女子高の北側石榴熟れてをり/企鵝
「エッチだなあ」
バカ殿の幽霊が出るおつぱいパブ/たろりずむ
(笑)
処理場の瓦礫の脇に咲いた花/
※帰った方の句だと思います
孔雀がいます秋の小田原城/箏曲
「あれは動物園だからなあ」「秋は合ってるね」
すさまじき石の割られてあつた跡/こばると
「空手家の感じがするね」
城落ちて服果物のジャスコかな/すみよし
「服と果物が置いてある。ジャスコみたいな」「果物がよくわからない(笑)」
石塊(いしくれ)の天下夢見る夜長かな/くみこ
「いしくれ、いしころみたいな」「中国にかぶれた人なんだろうな(笑)」
糞をしに風になります県庁へ/すみよし
(笑)「うんこするために県庁に忍び込むのかな」「ふん、って読むのかな」「人間は、ふんって言わないだろ(笑)」「人間じゃないのか」
元城下町秋服を買ふための/箏曲
「元にしない方がいい。城下町と秋服は、いいね。すごく効いてる」「二音ほしかったのは分かる」
朝顔に絡む朝顔絡まれて/響子
「最後がいらないような」「混沌感を出したかったんだね」
主死に城築けぬわたし虫の鳴く /ダリア
「『わたし、苗字が築城ツイキといいます』、だって」「へー、ついきダリアさん」(笑)「そうかな(笑)」
江戸城の地下にシェルター菊膾/遊鬼
「おー、いいね」「ミサイルの話題が続いたから」「皇居と議事堂の下にシェルター」「菊ってことは天皇でしょうね」「いいね」
静聴を促す人の首落とす/よかちょろ屋こうたろう
(笑)「静かにしろ―!お前が(笑)」「何が城の跡?」「そういうこと考えてない。九州の人は(笑)」
台風の目にテンドラッグ2号店/光音座
「ドラッグストア」「酒しか売ってない怪しいドラッグストア(笑)」
園内にトイレが三つそぞろ寒/夢の二
「三つは多いかな、一つがいいんじゃない?三つだとそれなりに多い」「庭園みたいな大きい公園なんじゃない」「男と女と男女の三つ(笑)」「ジェンダーに配慮(笑)」
霧晴間忘れ去られた石碑かな/リック
「霧晴間で切れが入っちゃうかな」
九分咲きの秋桜とおく盲学校/すみよし
「おく、っていうのは?」「あるってことなんですよ」「記憶なんですよ」「遠くって書いたんです(笑)」「ひらがなだから分からなかった(笑)」
護国車の日の丸の旗鉦叩き/森川
「虫の名前か」「これ悪くない。上手くできてる」
城壁の近くの象に林檎やる/箏曲
「毒殺ですね」「象暴れるから殺すんですよ」
紅葉の客にでぶ猫擦り寄って/膣ギロチン
「平和な感じがして城跡だったら悠久の時を感じるね。テーマがあるからいいね」
枯草に幼女の靴下丸まつて/翼
「これは誘拐。危ないですね」「時事ネタとしてやばいですね」
本名の名刺が落ちてゐる寒さ/翼
「難しいなあ」「うるさいな。俺は知られたくないんだ(笑)」「借金の電話が(笑)」
殉死した小姓に似た子運動会/夢の二
「主人につかえる若い少年」「なるほどね」
焼け跡や耐え難きを耐えヒロポン/随三
(笑)「ヒロポン」「疲労がポンにしたらいいよ」
大阪城とみんな間違うラブホテル/たろりずむ
(笑)「あれが大阪城だよって大阪の人が騙すんだよ(笑)」「これ、すっきりしてていいね」「本当にあるんです(笑)」
神無月パケに残つてゐたる塩/翼
「城の跡。上手いけど駄目です(笑)」
二回戦
「ん」で終わる句 ※終わった感じを出す
ポチッとな御用の方はこのボタン/きもと
(笑)「タイムボカンシリーズ(笑)」「なるほどね。いいじゃん(笑)」
行く秋の軍歌を流すイヤホーン/小川まこと
「あー」「軍歌って盛り上がるよ。はじまり。はじまりのおわり」
秋行くや愛だと信じてゐた強姦/遊鬼
(爆笑)「なんとかシンドローム」「ストックホルムシンドローム(笑)」
終電で明日に向かふサラリーマン/海音寺ジョー
「あー」「綺麗」「24時間戦えますか」
爽やかに目覚め歩けば猫の糞/ダリア
「歩くが意味分からないな。降ってくるんじゃない?」「飼ってる猫なんじゃない?」
秋空に除染を終える五万円/企鵝
「あー」「これ上手いね」「日給五万円」「天引きされて二万五千円」「わー」「竹中平蔵が全部中抜き(笑)」「竹中平蔵が日本の終わりの感じ(笑)」
冬隣ポテトチップが晩御飯/桃猫
「悲しいねえ」「お前が終わってるだけ(笑)」「皆さんの乾きものが美味しそうだったので」
漆椀金の小鳥を書き足して/夢の二
「悲しい」「最後の晩餐の感じがするね」
野晒しの骨となり上野から九段/よかちょろ屋こうたろう
「あー」「古い浪曲ですね(笑)」
翼にも流星Final Fantasy/光音座
「最後に、ん、がついてない」「途中でもいいですかって言われたのでOKにしてます」「ファイファンって読むんだよ(笑)」
二丁目で一番うまいモンブラン/龍
「あー」「いいねえ」「ペニクリ?」「二丁目で一番尺八が上手い人が死んでしまいました(笑)」
あ~~~~ごっくん/いっちゃん
(爆笑)「たしかに終わった感じ(笑)」「名作(笑)」「あー、がよく効いてる(笑)」
店仕舞い錠をなくしてこりやたまらん/岩佐
「じょうって読むのかな。かぎかな?」
手帳三級生活保護と自己破産/けーしー
(爆笑)「三段切れ(笑)」「死んじゃえ(笑)」「新聞の見出しみたい」「嫌な見出しだなあ」
爽やかや失錯ゼロの決勝戦/たろりずむ
「いいね。投手戦の感じ」「綺麗」「エラーしたら負ける感じ」
北大路おのれ北大路来るテポドン/すみよし
(爆笑)「北の王子(笑)」「てめーこら(笑)」
最終回解体処理のドラえもん/小佐治
「おー」「いいね」「ドラえもんになっちまった」
銀杏散る麓に置いてきた図面/こばると
「ふもとがつまんないな。銀杏は面白いけど」「図面も建築家の学生の感じがする」「銀杏散るまつただ中に法科あり/山口青邨」
カストリで盲になりて九月尽/くみこ
「カストリってなんですか?」「メチルアルコールが残っていて目が見えなくなっちゃう」「めしい、ですね」「めくらは放送禁止用語です(笑)」「花眼という言葉がある。中国の言い方で。かっこいい。漢字圏の人はセンスがいいよね」
※花眼(huāyǎn)は老眼を意味する
改修へ燕が帰り映画館/ゆり子
「宗教を変えるほうかと思った(笑)」「面白いね」
断末魔あんあんといく膣ギロチン/膣ギロチン
(笑)「断末魔とギロチンが合いすぎる(笑)いい句だね」「くだらない(笑)」「アイドルの自己紹介みたい」
おさぴーに相談されたよ勃起不全/いっちゃん
(笑)「相談があるってそれだったの?(笑)」
秋麗ら ユンボが崩す 城 チャンチャン/小指つめ子
(笑)「いいんじゃない」「ガタガタとかでなくチャンチャンがいい」「ユンボってちっちゃいよね」「本当の砂の城だったのかもね。挨拶句としていい」
エロ機長がそっとしまった秋風鈴/光音座
「あー」「いいねえ」「不倫、風鈴(笑)」
秋祭跳ねてぬぐうやアイライン/喜奈子
「何がはねてるの?」「アイライン?」「まつ毛かな」「終わったことをはねるとも言う」「解散のこと?」「ライブはねるって言うね」「業界用語だね」
外交に奪われて来たパンダさん/きん
「あれ二億だもんね。レンタル料」「白黒はっきりつけないとね。パンダだけに」
蟋蟀や別れ話の中華麺/森川
「なんで別れ話の中華麺?」「中華屋で別れ話」
葡萄食べた手で初版本/響子
(笑)「これ上手いですね」「シャインマスカット」「ひやっとしますね。初版本かあ」「触ってほしくないね」「希少価値が高い」「昔の文豪の初版本」
十六夜や僕以外皆オフライン/リック
(笑)「こういうのをどんどん作ると新しい時代の俳句ができる」「満月でもいいね」
彼岸花花弁二枚ですつてんてん/翼
「ちぎってちぎって…」「恋占い」「好き嫌い好き嫌い」「あんまりあれ花びらないじゃん」
以上で終了です!!最後までお読みいただきありがとうございました~!!
砂の城での最終句会おしまい。
これにて屍派は解散します。
屍句会報編集部のことば
(木内龍、小佐治、桃猫 の順)
今まで屍句会報をご覧頂きありがとうございました。毎週句会後に小佐治→桃猫→龍の順で、書き起こしと披講のコメント、注釈を書いて参りました。屍句会は参加者の知識の幅が広く、俳句や短歌はもちろんのこと、非常にニッチなネタであっても誰かしら拾ってくれる面白い空間でした。だからこそ参加者が「分かってもらえないかも…」と恐れず、短時間に多くの句を生み出すことができたのでしょう。
翼さんが言っていたように、本当に良い句というのはその場で分かるものでした。句会報ではそれぞれの句の後にセリフが入りますが、「あー」「おー」というのが最大の賛辞です。この面白みというのは本じゃ味わえない体験です。
屍句会の歴史について書く機会が無かったので触れてこなかったのですが、せっかくなので振り返ります。私が参加したのが2016年のTOCACOCAN(トウカコウカン)でした。これは歌舞伎町の解体予定のビルに1年間だけスタジオを作り、YouTubeで様々な番組を生放送をするというものです。その中に「北大路翼の新宿を詠む」という番組がありました。週一回、酒を飲みながら事前投句された句を選ぶのですが、通行人のギャルを引っ張ってきて俳句を作らせたり、選句させたり、ここには書けない滅茶苦茶なことを毎回していました。面白そうなのでスタジオに行って、そのまま砂の城に出入りするようになりました。この頃は既に句会をあまりやっていませんでした。そのまま砂の城で客としてしばらく居て、2017年の終わりには「アウトロー俳句」出版。俳句1年生で運良く載せて貰いました。この年は出版記念パーティーや忘年会、色々あったのですが「俳句をやらないなら屍派を解散する」と翼さんは何度か言っていました。誰かがやらないと砂の城がなくなってしまうというネガティブな動機で、月一回のペースでやり始めました。それまでクローズドな場であった句会が一気にインターネットに垂れ流しとなり(当時はYouTubeでなくTwitterライブ機能)句会のやり方も北大路翼が一人で全部やるという形から、龍が指揮進行していくという形式に変わったので、かつての句会の人はどんどんいなくなりました。過渡期には「屍派の句会はつまらなくなった」等多くの批判を受けました。その一方でテレビやインターネットで知ったという新しいメンバーが増えていきました。2019年に「屍句会」という名前に変更し週一回やることを宣言。その後句会報を毎週出すというサイクルを作り、コロナ禍でも関係なく句会をやり続けました。そんなわけで初期の「屍派」から「屍句会」へと、続いてはいるのに中身がまるっきり変わってしまいました。組織としては代謝しているのが面白いなと思います。屍なのにね。
最後にまず翼さんに御礼申し上げたいと思います。毎週零回戦のお題と「今週の一句」の選評ありがとうございました。人の居場所を作るというのは、生きる術を与えるということです。屍なのに、どこか「生き生き」としてる。この矛盾も面白いですね。小佐治さんと桃猫さんはお二方とも毎週キッチリと原稿を出してくださりました。修正が遅くて渋滞することはありましたが、無事やり続けられました。この手助けが無ければ句会報はありません。本当にありがとうございました。
木内龍(きうちたつる)
ついに最終号です。これで毎週土~火曜にかけての日課となっていた作業がなくなります。
YouTubeの句会動画とExcelに整理されたリモート投稿の句を見つめながら、動画を止めてWordに記入してまた再生してを数十秒単位で繰り返すのは、面倒ながらなかなか楽しい修行でした。文字入力するときはタイピングハイも味わえました。
ただ、9月頃からパソコンのキーボードが不調になり、A、S、G、B、/、スペースキーが、ひどい時には5分くらい押しっぱなしでも反応しないのにはちょっと疲れました。この13,000円で買った中古FMVめが!と呪いながら、コピペを駆使して何とか乗り切りましたが。
漢字や仮名遣いなどの間違いも時々あり、ご迷惑をおかけしました。お読みいただいた皆様、これまでどうもありがとうございました。
小佐治
2020年春。人生で二度目の離婚をしました。子どももおり経済的に不安があったため週末はバイトを入れました。週6日の勤務。
しかし、それでも私は自由。自由が嬉しくて天にも昇る心地でした。神様、ありがとう。自由って素晴らしい。自由ってありがたい。自由という幸せに酔いしれ、しかし逆にそれが私を不安にもさせました。
「こんなに幸せになっちゃっていいの?そうだ、こんなときこそ自分に縛りを与えたい!屍句会の文字起こしをしてみよう。したことがないのでできるか分からない。できるかな。無理かな。そうだ、失敗したら、こっそりフェイドアウトできるように内緒で始めてみよう。主宰の龍さんにDMで相談してみよう」
それまで接点のない雲の上の遠い人であった龍さんにDMで相談しました。
「あの、できるかどうか分からないのですが、屍句会を文字で残したいなと思って…まずは、こっそり誰の目にも触れず書きたいのですが…」
「あ、いいですね!お願いします!」
簡潔な返事。簡潔すぎて拍子抜け。というか言いたいことが龍さんに伝わっているか不安だ。
次の日、すぐさま、龍さんよりてきぱきと共有シートが送られ、電話で指示を受ける。
仕事が早い。早すぎる。
「いやー、よかった。ちょうど誰かそんなことしてくれないかなって思ってたんですよー」
とにかく明るい龍さん。
「そうなんですか。あの、でも、私できる自信がないのでまずは誰にも言わずに始めたい…」
「翼さんも喜んでましたよ」
…うわぁー!やっぱり全然、伝わってなかった!!でもそんな気はしてた!!
しかしもう今更できないとは言えない。後に引けない状況になってしまった。
尊敬してやまない翼さんはじめ屍派の皆さんに迷惑をかけたくない。何よりもこの楽しい屍句会を少しでも文字に残したい。
こうして、文字起こしなどしたこともないバツ2アラフィフの無謀な挑戦がはじまったのでした。
金曜の夜の句会を終え、週末、読まれた俳句とその選評を一言だけでも…と執念でポチポチ打ち込むも夜中になっても終わらない…ガーン…しかも誤字脱字だらけで読み返すのが恥ずかしい…
最初は慣れない作業に疲労困憊。動画の会話が聞き取れないし、検索や抽出を知らない私はシートから拾い出す作業がしんどくて悶絶。
眩暈。吐き気。腰痛。睡眠不足。想像以上に大変。
ひとりで誰も見えない所で始めていたら、絶対に「無理!」と叫んで、投げ出していました。オープンにしてもらえたことで投げ出すことができない状況になり本当に良かった、と今は思います。
何もかも手探りで苦しい中、句会報をアップしたときの皆さんの温かなコメントや「いいね」に癒され励まされました。あの時はありがとうございました。力をいただきました。
失敗も多々ありました。三日かけて書いたものが、全部消えてしまい、龍さんに「言いにくいのですが…消えています」と連絡をもらったときは死に物狂いで書きました。ゆっくり書くと色々考えてしまうので何も考えずに勢いで書きました。良い経験でした。以後パソコンの電源を落としません。
句会報を書いていく中で、俳句と作者名だけ、小佐治さんに分担してもらうことを提案し、快く引き受けていただいてからは世界が一変しました。
「うわぁぁぁ。動画を聞きながら会話だけ書くのってめっちゃ楽!!!(号泣)」
そこからは本当に楽になり、句会報に苦労した記憶はありません。
下ネタをたくさん書きすぎて予測変換がおかしなことになっているのが気になるくらいか。
北大路翼さんは生きる屍ならぬ生きる伝説だと思います。自由に生きながら俳句を作り、ツイッター上に惜しげもなく披露し、消えることを気にしない。桜が次々と咲き、散り、花びらが舞い続けるように。散った桜を惜しまないように、発表した句を執着せず手離す。
花は消えてゆくから美しいのでしょうが、それでも、俗な私は句会報という形で少しでも残したいと思ってしまいました。
屍句会で披露される句とそこで交わされる会話が、誰かの目に触れ、クスリと笑っていただけたら望外の喜びです。
屍派はひとまず解散だそうです。十年もの長い間、お疲れ様でした。
またすぐに次の物語がはじまることと思いますが、それまでパソコンの電源を消さず待っていますね。
桃猫
編集:屍句会報編集部 小佐治、桃猫
文責:木内龍