屍句会報2022年7月22日(金)

正解は「海月」

金沢八景の景色だろうか。河口にクラゲがよく浮いている。全員不正解。

次週の火曜日は高知で遠征イベント。兼題が「蚊」or「花火」なので、一回戦のお題は予行演習。

一回戦
「蚊」の字

蚊に刺されし跡を見せ合ふ義兄弟/企鵝

「義兄弟の契り、盃をかわしたってことですね」

失血死は眠るやうだらうか蚊遣香/みずな

「大量出血で死ぬこと。安部晋三の死因は失血死だったような。眠ったように、眠れるように、でいいかな」

「三万円」蚊の鳴くやうな声出して/ゆーり

「初めてのパパ活」「買った!」(笑)

初めから潰れてゐたる蚊の死骸/翼

「テーブルで勝手に死んでる(笑)」「あれ、寿命で死んでるんですよ」

料理屋の暖簾の仕種で蚊柱へ/ゆり子

「入ってかないだろ(笑)」「そんなお洒落な言い方にしなくても」「歓迎してるみたい」

目頭を切り過ぎた塾講の爪に蚊/きもと

(笑)「整形した人かな」「ネイルの先に蚊がとまったのでしょう」「情報量が多い(笑)」「写実的(笑)」

蚊柱の点字ブロック避けてをり/企鵝

「点字ブロックを歩いている人が蚊柱を避けて…避けられないか」「蚊柱の方が避けてくれたのかな」

蚊に好かれ藪蚊に好かれ失血死/みずな

(笑)「勢いがいい」「いっぱい刺された」

蚊帳と言ふもてなしのある郷里かな/遊鬼

「古いなあ(笑)」

乳の音を殴っていたる酔っ払い/桃猫

「血の音と書き間違えたのかな」「すみません。蚊の音と書いたつもりでした」

中国のスパイと思ひ蚊を殺す/翼

「俳句としては面白くないけどいいんじゃないかな。蚊型ドローンとかありそう」「デング熱みたいなのをばらまいて」

叩きっぷりを褒められる/風の日の扉

(笑)「蚊の字が入っていない」「失格」

水槽に蚊を育てたる夏休/桃猫

「ボウフラが湧いたんですね」

蚊を打ちて東京ドーム静まりぬ/企鵝

「上手いね」「パチンとやったら静まり返った」「これは新しいですね」「緊迫のシーン。昨日オリックスの試合のような」「東京ドームと言ったのがいい」「室内がいいね」

Tシャツに蚊の形あり原爆忌/龍

「季語が3つも入っていますね」

蚊遣火を押し付けられる小学生/遊鬼

「押し付けるが根性焼きみたいな意味かな」「最近の子は根性焼きよりカッターに走っているね」

生え際のあつた辺りを蚊に刺さる/たろりずむ

「サラリーマン川柳」「生え際のあった」「過去の話(笑)」

寝たきりの人にたくさん藪蚊かな/桃猫

(笑)「戦地病棟(笑)」「小蠅」「寝たきりの人の蚊帳をちょんぎるとかにしたら」

泣きわめく赤子と念仏蚊といびき/小指つめ子

「赤子が鳴いて、念仏、南無阿弥陀仏って唱えていて蚊がぶんぶんしていて」「叩かれて昼の蚊を吐く木魚哉/漱石 が、あるように蚊と念仏は相性がいいんだな」

戻り梅雨飛蚊症じゃない何か見え/よかちょろ屋こうたろう

「何か見えちゃう」「目の中のなんかですね」

※飛蚊症(ひぶんしょう)はホコリのようなものが常に視界に入り込む症状のこと。青空を見上げたときによく分かる。眼球の硝子体(しょうしたい)の濁りが主な原因で、加齢などで発生する。

リモートで蚊を見つめてる研究所/遊鬼

「なるほど。新しい」「テレワークで研究中なんですね。害虫駆除の研究所はみんな蚊とかごきぶりとか飼ってるんですよね」

集金や蚊の二つ三つ叩きつつ/たろりずむ

「つけてくる、がいいんじゃない?」「集金に蚊を二つ三つつけてくる」「蚊をつけてNHKの集金が来たら嫌ですね(笑)」

蚊の羽化を眺めて職安へ行かず/小指つめ子

「行った方がいい」(笑)「蚊の死骸をまとって行ったらいいんじゃない?鬱の人かもしれない。前の職場でパワハラ受けて、台所にボウフラが湧いて。それくらい洗い物がたまっている」

次の蚊が来るまでの間を眠りをり/翼

「今、一匹倒しました。次の蚊が来るまで眠る。昼寝ってそういうものかもしれませんね」

ローションを垂らした所に蚊がとまる/遊鬼

「つるつる(笑)」「琥珀みたいになってる(笑)」

荷車の発火の理由を調べてる/岩佐

「これは蚊が入っていないです(笑)」

ふりかけに混ざつてゐたる蚊の破片/翼

(爆笑)「破片なんだね」「ふりかけを見て、これ足じゃない?って(笑)」

彼女との布団の間に蚊遣香/ゆーり

「そこに置かないでしょってことか。間に置くかなあ。彼女の髪が燃えてるくらいにしたら」

蚊遣香夕飯要らぬと電話あり/ゆり子

「昭和の景色。いいんじゃない?」「群馬っぽい」

孤独死や蚊遣線香点けたまま/翼

「時間が短い」「形が綺麗に残っている」「燃え尽きて」「渦のまま、とかにしたら発見まで、1日2日の感じが出る」

蚊遣香ほっといてやる午前二時/小佐治

「ほっとく、のところ、誰が何をか分からない」「追加するのがめんどくさいからほっとこう、っていう意味かな」「ぽきっと折って外出する感じがいいかも」

由美子のブラジャーまで届かない/風の日の扉

「これは蚊が入っていないから駄目です(笑)蚊が届かないということでしょうけど」

キンカンや蚊に刺されたる門渡りに/たろりずむ

「蟻の門渡りかな。会陰と呼ばれる部分ですね。キンカンは金玉に塗ると飛び上がるんですよ(笑)」

抗争のさなか蚊柱援軍に/みずな

(笑)「数だけは多い」「蚊柱が援軍に来るあなたは誰?(笑)」「幼稚園生だったら可愛いな」

カーネルに発砲太陽に命中す/岩佐

「カーネル・サンダースかな」「白人の資本主義に対する怒り」「そういう読みなんですか?(笑)」

子育ては大変だろう蚊を逃がす/龍

「蚊は産卵のときに血を吸う」「自分の子育てのことじゃないのかな」「蚊は子育てしないよ」「蚊を許す、にしたらいい」

青姦の肩に纏わる藪蚊かな/遊鬼

「青姦をぐるぐると見る、くらいにしたらどうかな」「まつわる、って読むのかな」

蚊の写真を送ってくる/風の日の扉

(笑)「面白いですね。LINEで突然…」「目のアップを送る嫌がらせ(笑)」

ウイルスも通さぬ蚊帳との売り文句/よかちょろ屋こうたろう

「絶対無理だよね(笑)」「酸素も通さない(笑)」「呼吸できないです」「面白いですね」「統一教会で売りそう(笑)」

三打目で蚊を見失う社員寮/ゆり子

「拍手したんですね。蚊を叩こうと、パン、パン、パンまでいって見失う」「社員寮より箱根の温泉とかがいいんじゃない?」

九十の祖父と最後の蚊帳を張る/ゆーり

(笑)「いつから見た最後?」「明日老人ホームに入るおじいちゃんと、ってことじゃない?」「殺すのかと…(笑)」

蚊取り線香の豚でおがらを焼く/小指つめ子

「おがらって?」「お盆とかで焼く藁っぽいやつ」「蚊取り線香の中で焼いたんですね」

蚊のせいにしてビンタするあの流れ/喜奈子

(爆笑)「あの流れ」「いじめを思い出したんだよ(笑)」「最後の言葉で印象が変わる」「ダチョウ倶楽部?」「だとしても面白い(笑)」

僕よりも蚊の音を気にする彼女/ゆり子

「そうだろうな(笑)」

積み木一つ可能な限りの組合せ/岩佐

「これも蚊が入っていない」「か、だけじゃ簡単すぎるだろ(笑)」「疑おうよ(笑)」

蚊を払いながら読経する坊主/ゆーり

「それだけになっちゃうなあ」

国葬を支持する奴は蚊の仲間/翼

(笑)「加わってくる、にしたらいいかな」「9・27武道館」「爆破予告する奴がいそう」

玄関に眠っていたる蚊を叩く/桃猫

「蚊って寝るんですか」

自転車の立ち漕ぎ避けて蚊喰鳥/遊鬼

「蚊喰鳥(かくいどり)、こうもりのこと」「へー知らなかった」

客引きの蚊に食われ過ぎてるアフリカ系/よかちょろ屋こうたろう

「蚊には黒とか濃い色の方が刺されるから」「蜂が寄ってくるのも黒ですね、熊が黒とか茶色だから本能的に寄ってくる」

※蜂に黒い色が狙われやすいのは知られているが、「天敵である熊の色だから」という説は根拠に乏しい。他に考えられている説は「蜂は目が悪いので見えやすい黒色を狙う」「日光を吸収して温度が高くなるものを狙う」などがある。

参考:子ども科学電話相談 2019/10/27 「ハチはどうして黒いものを襲うの?」

https://www.nhk.or.jp/radio/magazine/detail/kodomoq20191027_02.html

蚊に刺され十字で潰すがアンチキリスト/岩佐

「虫刺されを爪でバッテンにする」「あー、痒くなくなるっていう迷信あったね」

何型が蚊に刺されないかで威張る/喜奈子

(笑)「面白い」「O型が刺されやすい」「(下記注釈2の話で)子どもが発見したらしい。妹がなんで刺されないんだろうって」

※natureの論文(1972)でハマダラカにO型が刺されやすいことが分かった

Selective Feeding of Anopheles gambiae according to ABO Blood Group Status

https://www.nature.com/articles/239165a0

※2016年にNHK総合・ガッテン!で放送された「人類最凶の敵!「蚊」撃退大作戦!」

京都の16歳の高校生が、妹はなぜ自分よりさされやすいのか?を考え様々な物で実験したところ、靴下に蚊が反応した。そこで多くの人の足の常在菌を培養したところ、「蚊に刺されやすい人は足の常在菌の種類が非常に多い(多様性が高い)」ことが分かった。番組の中で専門家は、人間が鼻でかぎ分けられるいわゆる「匂い」とは別に、一部の常在菌が出す脂肪酸などの化学物質や、その割合が『蚊を興奮させ、血を吸う行動をひきおこす』のではないかと話した。

https://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20160831/index.html

渦中の人はとても涼しげな熱帯夜/岩佐

「これも蚊が入ってないので駄目です」

顔にとまる腹パンパンの蚊を叩く/小指つめ子

「腹ぱんぱん(笑)」「誰の血だよ(笑)」

ひょろひょろと痩せたる緑の蚊も叩く/桃猫

(笑)「緑の蚊?」「これ蚊じゃないよ(笑)」

じいじ蚊をゆっくり打つと見せ速し/喜奈子

(笑)「あ、いいよね」「塩田剛三のイメージ」「これ面白いですねえ」

蚊に刺されながら迷路を書く/風の日の扉

「自由帳に描いてるのか」「引き籠りとか発達系」

蚊柱に突込むスケートボードかな/遊鬼

「これは普通だな。蚊柱のせいで骨折するとかにしたら」

貧困の赤子に蝿蚊容赦なし/翼

「普通だなあ(笑)」

二回戦
「六文字以上の名詞」

ポップコーン歯に残ってた昼寝覚/喜奈子

「寝る前にポップコーン食べないよ(笑)」「ポップコーン額に残る昼寝覚、にしたらいいね」「あ、面白いですね」

行く夏のエコパスタジアムでまた勝てない/小佐治

「清水エスパルス?ジュピロ磐田か」「あそこ、見やすくていいんだよ」「ホーム戦かな」

俳句甲子園素早き挙手を練習す/桃猫

「異議あり!異議あり!ナンセンス!(笑)」「面白い」「共産党員みたい」

国士無双だけ知つてゐる半ズボン/たろりずむ

「帽子とかの方が似合うかな。麻雀は足元見えないからな。パナマ帽とか」

空いている高速道路夏の雲/翼

「普通ですよね」「空いているからよく見える」「眠くなって事故る」

アクロバットで頂戴と言ふ上司/きもと

(笑)「PDFでください」「そういうこと?体の向きを変えてお菓子頂戴って言ってるのかと思った(笑)」

上野クリニックのCMですか?/風の日の扉

「懐かしいですね。包茎手術が有名でした」

皆黙る盛夏の満州鉄道に/翼

「黙るって空気を読んで沈黙することじゃない?」「引揚のときなのでしょうかね」

一睡の夢熊牛原野の木遣り唄/岩佐

「北海道の歌なんですと」「木材を川に流すの」「へ~」「文化祭なんかでもやります」「木遣り唄、哀愁があっていいね」

椅子取りゲーム椅子になつてる裸かな/遊鬼

(笑)「ハッテン場の余興でした」(爆笑)

メロンから中銀カプセルタワービル/光音座

「喫茶店でメロン切ったんだと思うよ」「メロンの種がぶつぶつして…」「メロンといったときに種に注目するかな?(笑)」「パーラーのメロンじゃないかな」

※中銀カプセルタワービル(なかぎんカプセルタワービル)

もしかしてこれはロケット花火かな/たろりずむ

(笑)「担任が花火に来たんじゃないですかね。まずいよまずいよって言ってたら、担任が近づいてきて嫌味で言ったんじゃない?」「それは面白い(笑)」「横浜高校の修学旅行でダッチワイフを持っていったら、見つかって親が呼び出されて親の前で『お前、これ、どうやって使うの』って言う嫌味な先生がいたよ(笑)」(爆笑)

オンライン会議の間に土用浪/龍

「あいだ、じゃなくて、あい、って読んだらいい。俳句は訓読みがいい」「土用浪は今の時期の高い波ですね」

野次飛ばす冷し中華に箸刺して/喜奈子

「箸は刺さない(笑)」「汁飛ばすがいいんじゃない?テレビに向かって」「辛子いらねーつったんだよおお!!!」」(爆笑)

さわやかのげんこつバーグに泣く帰省子/小佐治

「静岡のハンバーグ店」「お母さんがバラバラになっちゃった」「故郷の味なんだね。18歳で都会に出て、久しぶりに帰って食べたんですね」

舐達麻を生んだ京浜工業地帯/きもと

(笑)「面白いですね」「そのまんま(笑)」

※舐達麻(なめだるま)は日本のヒップホップグループ。メンバーの出身地は埼玉県熊谷市、深谷市。

かき氷ウーバーイーツが持ってくる/ゆーり

「溶けてるところまで、丁寧に言ったらいい」

犬と食ふビーフジャーキー軽井沢/翼

「駄目ですよ。味がついているから。塩分強いですよ」

シャンデリア墜落してくる夏館/遊鬼

(笑)

夏山にエレクチオンとこだまして/小指つめ子

(笑)「わざわざカタカナで書いてる。ぎりぎりの下ネタをやまびこにしている」「これ、面白い」

コインパーキングになっとったで/風の日の扉

「お前んちってことですね(笑)」

証明写真秒読み麦茶床へ置き/喜奈子

「麦茶が合わないかな。そんな直前まで飲まないだろ(笑)」「昔の証明写真ですかね。プリクラみたいな」「二人で入っている人いましたね」

奪い合う流しそうめんの末路/みずな

(笑)「末路(笑)」「あの流れ、じゃない?(笑)」「すくわれなかったら、バケツで受け止めてもう一回流すんですよ」

黙ってバッテイングセンターに行け !/風の日の扉

(笑)

黒はんぺんないのに名乗るしぞーかおでん/小佐治

「しぞーか、という表記」「すっかり郷愁モードだなあ(笑)」

蚊柱めく中華人民共和国/翼

(笑)「面白い」「謝謝(笑)」

工作はチップスターの筒でしろ/ゆり子

「いいね」「そんなに食べないよね。100個も食べないよね」「クリスマスツリーが全部段ボール/キム・チャンヒ いい句だよなあ」

草と読まれて第二次世界大戦は/翼

「WW2って書くからね。草2ってなんですか?って中学生が言っちゃったんだよ」

※短冊にはWW2にルビ

ベランダで食はされてゐるクロワッサン/たろりずむ

(笑)「こぼれるから(笑)」「絶妙な…(笑)」「虐待かと思ったよ」「虐待ならクロワッサン食べさせないよ」「このクロワッサン、いいね」「好きだなあ(笑)」「こぼれるからなのかあ、面白い」

ビックリマンチョコを捨てたる夏の草/桃猫

「昔、チョコばかり捨てすぎて社会問題になりましたね」

今日は熊もう十分ジュラシックパーク/みずな

「熊も出るからうちは十分にジュラシックパーク、っていう意味かな」

昆布盛今でも昆布を干している/岩佐

(爆笑)「面白いけど、これ六文字になっていないです」

夏祭りスマートフォンに残ってる/ゆーり

「子どもの宿題であれば褒められそう。子どもっぽすぎる」

メルカリに正価三千万の本/喜奈子

(笑)「もっとするんじゃない?統一教会」「献金したらもらえる本(笑)」

葬列にロケット花火を打ちかける/遊鬼

「打ちかけるっていうのは打ちそうになる、っていうことかな」

冷やし中華スタグフレーションらしきこと/龍

「あー」「インフレと同時に景気が悪くなること。冷やし中華の値段も」「これは冷やし中華の具の感じと合ってるね」

国葬にぜんらちゅうねん一万人/よかちょろ屋こうたろう

(笑)「俺も同じく作ろうとしました」(笑)「俺も長い言葉と言ったら全裸中年男性が思いついた(笑)」

男換へスーパードライからヱビスへ/ゆり子

「発泡酒くらいがいいかな。スーパードライとエビスはあまり変わらないから」

全自動食器洗い機夏休/翼

「導入して夏休みを迎えたのかな」「子どもが初めて家事を手伝ったけど、食器を入れるだけ」「社員食堂とか」「夏休みは子どものイメージだな」

タランチュラと対峙している蠅叩/企鵝

(笑)「叩こうとすると自分もやられるから、叩けない」「タランチュラも五音です」

モーツァルトで育てたトマトがまずい/小指つめ子

(笑)「超面白い」「これも五音(笑)」「モーツアルト、六音とも読める(笑)」

インターホン連打してゐる裸の子/たろりずむ

(笑)「虐待?(笑)」「牧歌的な感じではない」「背中が痣だらけ(笑)」「たろちゃん苛められてる句ばかりだなあ」

夏休み三十八歳独身です/ゆーり

「僕が初めて総合誌に出した句は、二十五才無職独身夏来る、だったなあ(笑)」「これだと普通だからバツ6ですくらいにしないと」

夜の底白きヤマザキパンまつり/光音座

「ヤマザキって朝のイメージだからなあ。相変わらず難しい句を作るなあ(笑)」

ヌーディスト村に行きたい夏休み/風の日の扉

「行ってらっしゃい」(笑)

すみませんやつぱりアイスコーヒーで/たろりずむ

「いいね」「冷やし中華下さい、やっぱりアイスコーヒーにしてください」(笑)

星月夜家族旅行から逃げ出して/ゆーり

「逃げ出せない、の方が切ない」「あー」「ずっと星見てる」

カルト教団白い水着で泳がない/翼

「普通ですね。面白いけど」

夏草や釧路開拓史を携へて/岩佐

「旅行者目線かな」

ミステリーサークル作る夏畑/たろりずむ

(笑)「桑畑にしたら?変な所に(笑)ちょっとお洒落になるよ」

北極熊の檻の巨大な花氷/遊鬼

「面白いね。上手い。冬かなと思わせて夏にする」

短距離の…あれ、ほら…ライオネス飛鳥?/風の日の扉

(笑)「ケンブリッジ飛鳥です(笑)」「チャゲ&かと思ったよ(笑)」

帰省してホームセンターで勧誘/喜奈子

「情報が多すぎるかな」

パラダイムシフト異端者の切子酒/光音座

「江戸切子の器のお酒ですかね」「やっぱり独特だなあ(笑)」

香水やコインランドリー待つ男/企鵝

「うーん」

熟したバナナ葬ってやるバナナケーキ/みずな

「熟したバナナねえ」

クリームソーダをブクブクしてゐる/風の日の扉

(笑)「可哀想」「アイスが流れちゃいますね」

地元ではクラウンメロンを浜で割る/小佐治

(笑)「高いよ。一万くらいするよ」

熱帯夜シュークリームが潰れてゐる/風の日の扉

「もっと汚くしたいなあ。べちゃっとした感じ。潰れているシュークリームや熱帯夜がいいかな」

発達障害ビニールプールでわーい/翼

(爆笑)「二個入れたよ。長い言葉」

夏見舞い往復ハガキで出しにけり/遊鬼

(爆笑)「元気ですか。はい・いいえ」「気遣いだね。50円も出せない人への」「お元気・ご病気って書いてあって、お、ごを消すのかも」(爆笑)

夕焼けや有刺鉄線ただ錆びて/翼

「あー」

ミシシッピアカミミガメ皇居のお堀に解き放つ/よかちょろ屋こうたろう

(笑)「縁日で売ってるのが全部そう」

ビーフジャーキー犬歯の美しくサンドレス/ゆり子

「歯が綺麗。美人なんだな」

日焼したトオルに誘はれブルワーカー/たろりずむ

(笑)「トオルって?」「ビーバップハイスクール」「昔の雑誌の後ろに広告が載っていましたね」

ラシュモア山で青姦USA/こゆき

「アメリカの大統領が並んでいる大きな山ですね」「サウスタゴタ州」「USAはいらない(笑)」「ダパンプだよ(笑)」

かき氷マサチューサッツ州溶けている/岩佐

「全然わかんない(笑)」

コインロッカーの鍵探したるプールかな/企鵝

(爆笑)「早くしろよぉ!たつる!(笑)」

心太おにやん子クラブを全部言ふ/翼

(爆笑)「番号がついてるんだよ」「ゲイが掘られながら…」「そういうこと?(笑)」

以上で終了です!!最後までお読みいただきありがとうございました!!

おまけ
「高知イベント」

2022年7月26日(火)に「HAIKUTIME あつまりや!やっぱり俳句は楽しいき」を開催。

経緯は以下

2019年に開催された【カーニバル00in高知】で俳句講座を担当した平山雄一と北大路翼が、ひろめ市場に設けられた「おきゃく」の席で高知在住のグラント一家と隣り合わせたことが発端でした。その場で始まった即席句会はおおいに盛り上がり、その後、「高知オンライン句会」がスタートしたのです。

偶然の出会いから生まれた今回のイベントは、運命としか言いようがありません。タイトルの『あつまりや!やっぱり俳句は楽しいき』は、最年少メンバーのひとり、グラント花さんが「おきゃく」句会で感じたことをそのまま名付けてくれました。

HAIKUIME より引用

平山雄一と北大路翼のダブルキャストで、昼間は高知城吟行、夜はトークショー。

高知城近くの「ひろめ市場」
地元である菊池仙葉おすすめの「やいろ亭の塩たたき」「クジラのユッケ」「のれそれ」他多数。
日本酒が蒸発する勢いで無くなっていく。

翌日、前夜にしこたま飲んだひろめ市場で昼食の鰻を食べて出陣。

吟行は雄一チームと翼チームに分かれて行う。参加者は小学生から大人までまさしく老若男女。

スタート地点の高知県立文学館を出て、丸ノ内の北側をぐるりと回って二ノ丸から三ノ丸へ。

二ノ丸では普段、名物「アイスクリン」が売っているそうだが、この日はお休み。このアイスクリンを惜しむ俳句がいくつか詠まれていた。

70度ほどの角度の石垣は人間にはほぼ垂直な壁に感じられる。そこを偶然居合わせた野良猫がスイスイと登っていき、歓声が上がった。

文学館に戻って俳句を詠む。初心者には季語の丁寧な説明と指導。全員投句後、ホワイトボードにすべての句が転記された。司会の二人が「この句が良いと思った、共感した人ー?」と聞き、挙手した人に意見や解釈を聞いた。

最後に、このイベントの発端になった【カーニバル00in高知】の発起人、映画監督の安藤桃子さんが駆けつけてくれた。

無事昼の部終了。夜は「ミニシアター蛸蔵」で開催。

トークショーの前半は俳句とは何かという話のあと、雄一選、翼選それぞれの「夏の面白句」について語った。

後半は兼題「蚊」or「花火」で参加者の一句を並べて披講。参加者にマイクを渡して句の議論を深めた。途中Zoomでオンライン参加の方も映像で繋ぎ、ハイブリッド形式でのトークショー句会となった。

その後も高知の夜は長かった。

献杯に返杯をして明易し

翌日各々東京組は帰宅。

お疲れ様でした。高知の運営の方々、縁を形にしてくださり有り難うございました。

編集:屍句会報編集部 小佐治、桃猫
文責:木内龍

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