正解は「日永」 一日ぼんやりしている様子だろうか。
日永は春になって昼の時間が長くなる事だが、ここで「暗き」が効いていて、晴れやかな気持ちで過ごせない午後を暗示させる。
回答にあった遅日は惜しい。全員不正解。
愛する人が病になったとき、何ができるのか――。アルツハイマー型認知症を患う妻と暮らして10年。ありのままの命を見つめ、明滅する心の瞬間をとどめた俳句集。人間の在り方を問う渾身の36句。
引用元 朔出版:小山正見句集『大花野』
https://saku-pub.com/books/ohanano.html
北京五輪の閉幕から句会の時点で5日経つ。もはやその言葉を過去のように感じるほど、ニュースは戦争の話題で埋め尽くされた。
一回戦
「にし」の音
べシニアの庭に水菜や京菜かな/こはく
「これはベニシアさんの間違いかな」「京菜も水菜も同じようなものだよ」
※ベニシア・スタンリースミスさんは英国生まれのハーブ研究家。長く日本に住んでいてNHKの番組でもおなじみ。その活動は書籍やドキュメンタリー映画になった。
如月にしては明るき花屋かな/喜奈子
「如月って音が明るいし、花屋って年中明るいものだからな、違うお店がいいよ」
貸すウシジマくん借りるニシジマくん/翼
(笑)「闇金の」「ウシジマくんはモデルがいるらしいですよ」
何しよう朝寝覚めたらもう夜で/小佐治
「朝寝坊しようとしたら18時くらいになってて…日記ですね(笑)」「何もしてない」
花にしかなれない男修司の忌/遊鬼
「かっこいいね」「嫌味も効いてる」
鰊群来おでこの天辺まで漁師/翼
「にしんくき、って読むんですね」「はげてるのかな」「全身漁師のDNA」「鰊が来ると海が白っぽくなるんだよ」
名にし負う雲雀は高く鳴く野原/小佐治
「雲雀が鳴いてるだけだなあ」
田楽や俺にしとけと言つてをり/遊鬼
「俵万智みたいな」「俺の嫁になれよって」「田楽を切りながら言ってるんですかね」「串で眼を突きながらだよ(笑)」
「嫁さんになれよ」だなんてカンチューハイ二本で言ってしまっていいの/俵万智
雪解川西へ西へと逃げてゆく/翼
「ウクライナの人が渋滞で動けないんですかね」「ロシアが雪解川に乗って攻めてくる」
春休み小さな嘘を気にしてる/遊鬼
「可愛いすぎるかな。お花の名前にしたら?」「春闘とか(笑)」
勢いで乗る流氷に死の匂ひ/喜奈子
「乗っちゃいけない(笑)」「ロシアに連れて帰る」「音がすごいんだよね」「ゴゴゴって」「氷がこすれ合いながら来るからね」
水槽の田螺と過ごす日永かな/桃猫
「呆け老人だね。話す、くらいにしたらいい。遊ぶとかつつく、とか、そうすると子どもらしい」
へっにし!花粉症やろか…/風の日の扉
(笑)「無理矢理じゃないか、ずるいだろ」「そんなやついないだろっていうツッコミ」
駐禁の西八王子のカマロかな/こはく
「八王子っぽい」「西八王子がまた…」「高校の最寄り(笑)」「西八王子が効いてるね」
西側に到達できぬ遅日かな/龍
(笑)「読みが急に変わった」
モヒカンにしてから坊主風光る/たろりずむ
「面白い!」「バリカンで自分でね」「坊主にすると決めたけど、とりあえず遊ぶ」「これ上手いねえ」
渡り漁夫に食べられている錦鯉/桃猫
「そんなの戦争の話。精力がつくと言われている」「一匹百万の錦鯉を食べる」
光つてるところが戦地涅槃西風/翼
「窓から見たらバババって音がしたのかな」
鳩にしても蝶さえも飛ばぬ北の空/小佐治
「ちょっと音が悪いかな」
ロシア人にしかできない種選び/遊鬼
(笑)「戦争後の兵隊による民族浄化みたいな…」
入学式顔はやばいよボディにしな/たろりずむ
(爆笑)「的確な(笑)」「スケバンの有名な言葉」
北窓開く(あく)ソファに屍めくマツコ/喜奈子
(笑)「あんなでかいの、屍感がないよ。もっとミイラみたいじゃないと」「春の温かさがぶわっと入ってこないと」
遠足や女子に死んでと頼まれる/たろりずむ
(爆笑)「うまい、これは分かる」「女の子だから死ねとは言わない」「死んでくれないかなーという悪口」「上手いなー」
春光や睫毛に白髪ありにけり/桃猫
「光だと光っているから、っていう感じになる」「黒かった睫毛が白く感じるのかな」「や、で切らず、の、の方が綺麗」
小錦のやうな女と磯遊び/遊鬼
(笑)「ハワイ(笑)」「磯じゃないだろ、浜だろ(笑)」
永き日に支払いにゆく手切金/喜奈子
「あー」「永き日なのかな」「養育費を振り込む」
流氷?気にしない気にしない/風の日の扉
「状況が分からない」「流氷じゃない全然違うのにしたら?戦争とかロシア兵とか」
死ぬのなら迷惑かけずにシネラリア/たろりずむ
「シネラリアはお花」「サイネリアとも言う。縁起が悪いからね」「死ねたらいいな、ということでしょうね」
缶詰にしたろか?/風の日の扉
(笑)
濡髪が乾燥したり涅槃西風/随三
「普通だからなあ」
夕風に纏(まとわ)り着かれ田螺(たにし)取る/みずな
「夕方の風がまとわって田螺をとる…」「分かりにくいかな」「田螺食べれるんですよ」「エスカルゴだから」
キスマークとか気にしちゃうんだあ/風の日の扉
(笑)
囀りや西野カナより逢いたくて/桃猫
(笑)「逢いたくて逢いたくて震えるっていう歌がある」「さっちゃんはトリセツを歌う」
由美子、季語とか気にし過ぎだから/風の日の扉
(爆笑)「警察(笑)」
今のうちに積丹(しゃこたん)半島奪還せよ/桃猫
(笑)「怒られそう」
※積丹半島は北海道の一部。明治2年(1869年)に戊辰戦争が終わり、蝦夷地が北海道となって以降、他国から侵略されたことはない。北海道で唯一の原発「泊原子力発電所」がある。昭和15年(1940年)にはロシアの北海道上陸の情報を掴む目的で神威岬に電磁台(電波探知塔)を設置計画。二年後に完成。
バラバラと田螺が散らばるアスファルト/小指つめ子
「普通に池とかにしたら」「一歩ごとに田螺踏む、とか」「机の上とか変な所にしたら?砂場とか、保健室とか(笑)」
行きずりや薄き縁《えにし)のニット棒/みずな
「行きずりとえにしが駄目だなあ」
春ひさぐ西村賢太と穴兄弟/随三
(笑)「いっぱいるだろう」「追悼として」「勝手になってそう」
錦絵となりし三島よ昭和の日/遊鬼
「そうですか(笑)」
鰐しょった漁師が駅で押し売りす/小佐治
「日本では鰐って鮫なんだよな」「因幡の白兎も鰐って言ってる」
洋館に招待される金田一/たろりずむ
「殺人事件のフラグですね」
花衣で討ち死にしたる三島かな/遊鬼
「うーん」
滝壺に真珠を落とす由美子かな/風の日の扉
(笑)「由美子の必要性を感じない」「近づかないと思うあの人」
女子大の裏の下宿の西日照り/みずな
「西日のデリヘル?」「違います(笑)」「あったけえって言いながら(笑)」「逞しい女が出て来そう(笑)」
狩の宿大西ライオン射殺せり/随三
「大西ライオンは芸人。ライオンをかぶってライオンキングの真似をする」
苗木市手描きにしたる偽キティ/喜奈子
「苗木市の感じじゃないなあ」「売ってる人見ると偽か分かりますよね」
ウクライナ田螺にされてしまいさう/遊鬼
「これいいね」「迦陵頻伽(かりょうびんが)っていう伝説の鳥が田螺をよく食べる」
何処にでも阪西敦子花見酒/翼
「あっちゃんっていう酒飲みの俳人」
西荻に住みたくなつて春の風/翼
「春の風が雑。吉祥寺でも中野でもない場所がいいんでしょうね」
蒲公英やニシシと笑ふブルドッグ/翼
二回戦
「反」の字
床溶けるシャツを足場に反吐を吐く/菊池仙葉
「全部駄目だ(笑)」
春炬燵条件反射で勃起する/遊鬼
「学生っぽい。留年生。セックスじゃなくオナニーの方だな(笑)」
麗らかに雌豚の背に反吐を吐く/桃猫
「意外と反吐が多いなあ」「雌豚さん…桃猫さんでした」(笑)
変態? あ、反対ね/風の日の扉
「逆の方がいいかもな」
反戦デモに父と現地妻/小指つめ子
「これ面白いね。九州に住んでるお父さんがロシア大使館へデモへ行ってくるって言ってたのにニュースで現地妻と映っていて」「デモに参加している女って口説きやすい。お祭りと一緒だから」
義理の兄いい人だけど反ユダヤ/随三
「Youtubeで洗脳されてね、陰謀論に」「いい人だから、がいい」(笑)「だけど、だと普通になっちゃうから」
反骨の猿決戦の入れ替わり/みずな
「打倒ボス猿」「マニアックなシーン(笑)」
条件反射で薄氷を踏みつける/翼
(笑)「自殺行為」「普通に登下校で割っているんだよ」「あーそうか。冬は毎朝できる」
上野でね蝮飲んだら反り返り/中村ゆうじ
(笑)「音合わせならアメ横くらいでいいかな」「オークラ劇場、ほんとホモやおかまが多いですよね」
草餅や子供がずつと反抗期/遊鬼
「草餅が可愛いすぎるかな」「草餅や子どもが急に反抗期」「あー。15年反抗しなかった子が急にうるせークソババアって言いだした(笑)」「こんなもん食えるか!」(笑)
五反田で咥えてもらふ朧月/翼
「そうですか(笑)」「八千円くらい」「朧月がくわえてもらう感じ」
春闘や憲法改正反対派/遊鬼
(笑)「そのまま朝日新聞」「や、が切れてない」
造反すプーチンの部下霞立つ/小佐治
「霞立つは殺された感じ」「造反する、と連体形にした方がいいね」
オホーツク海老の反対語は蟹/随三
「オホーツクで切れるのかな?どういう意味?」「オホーツクで切れるんです」
五反田と五反野は大分離れてる/龍
「静岡?」「それは御殿場です」
※五反野は足立区の駅(小菅の隣)。東京の人でも間違えて五反田に行ってしまうことがある。
冴返る反終活の呑んだくれ/こはく
「いいんじゃない?」「ちょっとくどいなあ」
反戦と呟きながらの迎い酒/クロ
「大大的に主張するんじゃないけど…」「迎い酒という言い方は関東弁なんだよ」
※迎え酒の表記が一般的。「ムカヘ」の変化で東京地方で「ムカヒ( mu-ka-i )」と言っていた。
天保4年(1833年)「梅暦余興春色辰巳園 狂訓亭主人[作],歌川国直[画]」
【由】「ヲイ〳〵仇{あだ}吉
さ゜ん母御{おつかア}が迎{むか}ひに来{き}たヨ。」
https://www2.ninjal.ac.jp/textdb_dataset/tmsn/tmsn-001.html
北原白秋の「アメフリ」(大正14年(1925年)発表)では
アメ アメ フレフレ カアサン ガ
ジャノメ デ オムカヒ ウレシイナ
文部省の方針で教科書に載るときに(昭和33年(1958年))「おむかえ」となった。
http://www.ne.jp/asahi/sayuri/home/doyobook/doyo00nakayama.htm#amefuri
反社しかゐない句会と花見には/翼
「まあそうかもしんない(笑)」(笑)
反り過ぎのヨガのポーズに欲情し/中村ゆうじ
「分かるけど」「反りすぎるヨガのポーズに反りすぎる」」「あー」
田楽を君の反対から食べる/翼
「甘い。いいなあ。俺の歯形の方が綺麗~って」「ポッキーゲームみたいにしようよって(笑)」「こっちとそっちで食べる、俺よくするじゃん」「汚い」(笑)「味噌がついちゃう」
反省なら猿でもできると薄氷割る/小佐治
「うすらいわる」「この人は何を思っているんだろう」
反逆児父の背にバット振りかぶり/菊池仙葉
(笑)「小さいなあ。戦いが(笑)」「標的がお父さん」
結構反りますね/風の日の扉
(爆笑)「可笑しい」「ソープ嬢の(笑)」
春愁やゼロにならない反比例/龍
「春愁効いてるなあ。上手い」「結構反りますねの後に…(笑)」「漸近線ね」
反感を買わぬ演説春の雪/随三
「岸田総理とかね」「最近、顔が厳しくなった」「記者会見で無難なことしか言わない」
正解はいくつうららの反対語/喜奈子
「反対語かあ」「月と反対語とか、もう少し分かりやすい言葉にしたらいい」
ハンサムな一反木綿と同居中/みずな
「一反木綿長いよね」「顔がのっぺりしてる男のことを詠んだのかな」
※木綿一反は2丈8尺とすると普通の尺(30.3cm)で8.5m。和服の鯨尺(37.9cm)では10.6m。
反原発反戦争や蜷(にな)の道/桃猫
「赤旗の投句欄か」(笑)「雌豚にしちゃよくできてる(笑)」
「反対したの誰?」と連呼する由美子/風の日の扉
(笑)
反動でリバウンドする新社員/喜奈子
「リバウンドと反動って同じだから。日本語にしただけ」(笑)「同じですから」
チンゲンサイに過剰反応する男子/たろりずむ
(爆笑)「英語の先生がSIXって言うと後ろ見ちゃう」「給食のメニューを女子が言ったんですかね」
苗木市反社が占める一区画/遊鬼
(笑)「上手い、これ明るくていい」「明るくないよ(笑)」「やたら立派な木を置いてる(笑)」
柔軟で反りし彼女の腹に蜂/小指つめ子
「作り込み過ぎかな」「柔軟体操をしていて…」「すばらしい乳房だ蚊が居る/尾崎放哉」
一反木綿デモ隊の先頭に/翼
(笑)「百鬼夜行じゃないか」「戦争反対と書いたのぼりみたいな」「横断幕とか」「面白い」
反物の価値もわからず質屋行き/中村ゆうじ
(笑)「川柳っぽい」「買いたたかれるんだよね」
菜の花の反対側にあるホテル/翼
「これはいいよね。道を挟んで菜畑とアパホテル」
反戦をリツイートする春炬燵/遊鬼
「あーいいね。炬燵記事、ブロガーがろくに取材もせずネット情報で書くやつ。それにかけてる」
反日とまだ言つてゐる春キャベツ/翼
「春キャベツはどうだろうね」「焼肉屋」「韓国人はみんな反日だよっていう」「春キャベツよりサンチュとか」
露人ワシコフ反戦運動して逮捕/龍
「いいね」「露人ワシコフ叫びて石榴打ち落す/西東三鬼」
いいセフレ二律背反しています/随三
(爆笑)「二列パイパン!」「いいですね(笑)」「これ面白いね(笑)都合のいいセフレ」
はーい、季語がなーい、反則/風の日の扉
(笑)「自分でいつもやってるじゃないか。特大ブーメラン(笑)」
戦争に反対なのだ四月馬鹿/桃猫
「四月馬鹿とバカボンでかけすぎだから他の季語がいい」「俺もツーパンゲの句で作った」
蝶々を反対にしてピンで留め/桃猫
「サイコパス?」「裏返しのつもり」「お腹が見えたら変だから上下逆がいいよ」
盛り上がる反則行為春の土手/翼
(笑)「これいいね。ヤンキーの喧嘩か草野球。酒飲みながら盗塁したり」「バットに釘刺したり」(笑)「飛ばないです(笑)」「ビニ―ル巻いたり」
運動会スピード違反の義足かな/随三
「こないだ9秒で走ったりして」「問題になったりする」
賛成の反対なのだ鳩ポッポ/龍
「分かりやすい。悪くないけど」「平和ボケに対する」
梅の木に一反木綿くくりけり/桃猫
(笑)「くくられちゃった」
反感を買うほど美人春ショール/遊鬼
「昔はそういうCMあったね。資生堂とか」「いいね」「観月ありさとか足の長い美人が出てきてさ」
ぶらんこで堂々巡りの反戦歌/小佐治
「ブランコと反戦歌がいい」「半仙戯(はんせんぎ・なかば仙人になるような気分がすることからいう)が『ぶらんこ』の異名であったりするからかけてるかも」「あービリーバンバンとかも、かけていそう」
反則か悠仁様の大試験/遊鬼
(爆笑)「まあ反則です」
啓蟄に反社の城が動き出す/クロ
(笑)
十反の田んぼ守って父が逝く/小佐治
(笑)「共感しないなあ(笑)そうですかって」
ふらここが社会に反発する高さ/翼
「これはいいんじゃないかな」「足がつくくらいの高さ。綺麗ですね」
右側は反社だらけや披露宴/たろりずむ
(爆笑)「カットが動いて、屈強な男が出て(笑)」「夏でも腕が出せない(笑)」「右側っていう雑さがいい」「めっちゃ上手い」
反町!と言って勃起/風の日の扉
(笑)「よくわかんない」
春泥へ沈む低反発マットレス/みずな
「不法投棄ですね」「マットレスに埋めたら春の泥の感触だったのかな」「不法投棄じゃなくて」
反抗期箸で先生の背中刺す/中村ゆうじ
(笑)「まあいいんじゃない(笑)」「時代を感じるなあ」
血反吐など見ない時代よ修司の忌/遊鬼
「悪くないね」
反り返る男根にある黒子かな/桃猫
「分かるけど(笑)」「黒子じゃなくて春の星とかにしたらいい」(笑)
反応の薄き女郎に舌打ちかくす/中村ゆうじ
「隠さなくていい」「舌打ちす、で止めていい」「禿(かむろ)くらいにすると女の意地悪さが出る」「女郎に舌打ちされる、とか」「時代を感じる」
反則のパンチで勝ちし修司の忌/遊鬼
「パンチかあ」「猫パンチ?」
反抗期そろそろ終はり春炬燵/たろりずむ
「取り残された寂しさを感じるのかな」
以上で終了です~~!最後までお読みいただきありがとうございました!
あっという間に3月到来。次回銭湯砂の城。
ドレスコードは手ぬぐい一丁。
金曜の夜8時はうっかりしてるとすぐ徒過してしまう時間でした。
手拭一丁だと往復がきついですね
都合がついたら、また一&二回戦に投句してくださいね。