俳人北大路翼が家元をつとめる俳句一派・屍(しかばね)派
こちらは新宿歌舞伎町「砂の城」で毎週金曜夜の屍句会の聴き書きです。
屍句会の特色はその場で題を出し5分~15分以内に投句。
句を読み上げその場で評や感想を語り合うスピードと調べを重視した句会です。
YouTubeで披講動画をUPしています。
アナログとデジタルの融合、現代の俳句のあり方を提案する屍派の句会をお気軽に覗いてください。
零回戦は参加費無料。
ZOOMや投句フォームを使って外部からの参加もOK(一回1000円。後払い可)
龍(たつる)「今日は節分ということで豆持ってきました。鼠の餌です。かんぱーい」
翼(つばさ)「かんぱーい。鬼は外ー小池氏ねー」
【一回戦「孤」または「独」の字】
(孤独担当大臣が生まれました)
◇家にいて背布団する独裁者 安野ゆり子
「悪くないんじゃない。『家にいて』を「飯時に」にしてみたら」
◇すきやきを一人でくうて面白し 甲村健一
「面白しまで言っちゃうとなあ」
◇落葉焚く独身寮の管理人 桃猫
「普通だな」
◇屁脚伸ぶ独り言かと思いきや いもとやへえ
(笑)「切れが悪いんだろうな。ぷうううんと
◇満員の電車の孤独冬の雨 桃猫
「このパターンはちょっとありがちかな」
◇一人座し生きる恐怖に死ぬ恐怖 ほずみぱぺ
「かっこいいいけどね」「孤独な老人な感じがする」
◇春が立つ独居老人孤児を買う 菊池洋勝
◇独唱の美輪明宏に風花す かむろ坂喜奈子
「おおーいいじゃん。ヨイトマケの唄を野外で歌っている感じ」
◇独立のニュース見ている褞袍かな 遊鬼
「悪くないよ」
◇寒椿一人上手と呼ばれたい
「独身の強がり?」「中島みゆき」「この寒椿はいいね」
◇孤立する町内会の梅もどき 北大路翼
「町内会長から嫌われちゃったのかな?」
◇冬の波はるか独島(どくと)はわれのもの
「韓国目線の句かな」
◇焼芋や昭和天皇の独白録 遊鬼
「焼芋が戦時中を感じさせる」「焦げの漢字が合ってる」
◇寒烏独りに空は広すぎる
◇独学でツボにすえてる寒やいと 遊鬼
「図書館で東洋医学の本を読んでる」「独学が効いてる」
◇目覚めれば雪が隔てる陸の孤島
「どこのイメージ?」「長野」
◇私にしか見えぬ友達孤独じゃない
「精神が不安定な子?幽霊とか守護霊」「アル中か」
◇孤独死を受け入れてからひなたぼこ 安野ゆり子
「受け入れながらの方がいいね」「自分自身の覚悟の句」
◇孤独しか似合わないのよ雪兎(マイメロディ) 夢の二
ぴえんの感じを無理なふりがなで表してる
◇独特な具材のおでんフィリピンの 北大路翼
タロ芋?
◇独居房小指の先だけひなたぼこ 遊鬼
「小指の先ないんじゃない?あるの?」
◇独立は残されること葱坊主 北大路翼
「会社から親からの独立、畑に葱坊主があるのかな。ちとわからない」
◇薄氷や九十九年目の孤独 北大路翼
「九十九歳になって未亡人の句?」「百年の孤独のパロディだよ」
◇孤独死の父を抱きたる雪女郎
「遭難系?」「孤独死したら愛人の手紙が出てきたとか」
◇観月や孤閨(こけい)を守る医師の妻
「大学病院の医者は看護師とできてる」
◇ちんちんを股にはさんでいる孤独 風の日の扉
(爆笑)「新境地」
◇雪催ふたりでいるほうが孤独
「やっぱりこのパターン」
◇外に出ぬ独居老人冬深む 北大路翼
◇バレンタインチョコのレシピが独逸語だ
「トカシマースという感じ」
◇独房に届く蟹缶春近し 北大路翼
「凶器になるから届かないんじゃない?」「ヤクザの親分だよ」
◇独島(トクト)行き船を揺らして大寒波 小佐治
「大寒波をどうとるか」
◇キャバクラに独り演説ぶつ二月
「ぶつって喋るって意味?」「二月が全然効いてない・笑」
◇春うらら孤高の賢者にして痴漢 北大路翼
(爆笑)「悟っちゃったから」
◇由美子にも独りの夜があるだらう 風の日の扉
(爆笑)「毎晩そうだよ」
◇家出して独り飲む酒冬満月
「満月が効きすぎ」「家出と独りのどちらか省略」「現代の家出はカラオケだからなあ」
◇春の風邪町内会で孤立せり 木内龍
◇独眼の猫といえども恋の猫 北大路翼
「片目の猫多いよね」
◇独身を好きになれずに湯冷めかな 安野ゆり子
「独身の人を好きになれないのか我が身のことか」
◇独居房届かぬ窓に寒椿 きょうこ
刑務所の懲罰房だね
◇買い初めを独占したるイオンかな
1月2日の買い初め?
◇バレンタイン狐うどんを手作りす 桃猫
「狐間違い・笑」
◇独軍が桜鍋するスターリン
「ソ連軍が軍馬を泣きながら食べてる」
◇屁紋認証で狐の選別 いもとやへえ
「これも狐間違い」「いもとさん全部間違えてる」「老人だから仕方ない・笑」
◇家出して飲む独り酒耳小雪
「さっきも似たのあった・笑」
◇独房の四角き青を鷹の行く
「空の見えるはめごろしの窓か」「鷹って言っちゃう?」「鳶かもしれん」「鳥帰るがいいかも」「あー確かに」
◇冬凪や孤塁(こるい)を守る風来坊
こるいって何?砦?「
◇セーターがグッチでありし孤独の死
「冬帽がいいかも。最近流行っている」
◇木の葉髪独り身ならば愉快なり
「愉快なり」が言い過ぎかな「木の葉髪が片意地張っている感じが出てる」
◇しもつけの陸の孤島で鮭食むる
「群馬だっけ?」「栃木県!」
◇冬耕や裏の親父はラジオ聴く
「題が入ってない!」「ラジオのような独り言にしたらいいんじゃない?」「いいね!」
◇新宿の孤高の人の叫ぶ冬
「マスクしろーー!」(爆笑)「マスク反対とかね」
◇冬あんご残留孤児のフラメンコ
言葉遊びが面白いね景は無茶苦茶だけど・笑
◇独ソ戦語る年寄り凍死する
「わざと冬山に行って若者に語ろうと思って行ったら死んじゃった」
「ここで鍬持って戦ったんだよとか・笑」
◇孤独死の発見されず冬うらら
「うらら・笑」
◇独特のチョキに勝ちたる孫のグー
(笑)「ピストル!とかね」「田舎チョキって言うんだよ」
◇孤島にて銃の夢見るウィスキー
「拳銃とか面白いね、戦争を思い出すような」「樽の中でウィスキーが夢見てるのか。東京のバーへ行くのかなとか」「みんな俺のゲロになって終わりだよ・笑」
◇両親が家を追われて孤児の鬼
「孤児院の鬼役くらいの方が良いか」「不幸になって鬼になるのか」
◇独楽回し僕だけ溝に落ちたまま
「この季語を見つけたのがエライ・笑」「溝に落ちて回ってるのか」
◇独り言の口調は田口トモロヲ 風の日の扉
どんな喋り方だっけ?笑
◇鶯の独白に耳を傾ける
政治スキャンダル?
◇帰宅部が独走トライ 風の日の扉
(笑)「帰宅部は居場所がないから」「玄関に帰ってバンとカバン置いたんじゃない?」「早く『ときメモ』やろ」
◇孤独という毒に効くのか抗うつ剤
「効かないよ・笑」「毒に効くまでは言い過ぎかな」
◇キャバ嬢にたしなめられる独り言
「分かる」「言っちゃうんだよ」「両親は知ってるの?」笑
◇独活を和えつつ由美子に嫉妬する 桃猫
「独身活動かと思ったよ・笑」「由美子の人気に嫉妬」
◇孤高のオナニストですか… 風の日の扉
(爆笑)「基本孤高だ」
◇冬の朝孤高を気取るエスプレッソ
「気取らなくていいんだよなあ」「エスプレッソマシンの孤高冬の朝」「おおーいいね」
◇孤立して水鳥スヒスヒ独り言 かむろ坂喜奈子
「スーダラ節」
◇蝋梅やながながとして独り言 北大路翼
「これは独り言が長いのかなあ」
◇独り寝の自分の体抱く毛布
「こないだ似た句あったな」
◇雪かきをさぼり孤立の町内会 かむろ坂喜奈子
(爆笑)「この句が一番孤立感がある」(拍手)
【二回戦 節分の季語】
◇柊や同じ話に頷いて 夢の二
「誰と誰が喋っているんだ?」「とげとげしている感じ?」
◇褌の女が好きや年の豆 風の日の扉
「祭りとかでたまにいるね。褌の女」「宮沢りえ?」「古い!」
◇三人目ができたやけくそ鬼は外 桃猫
「子ども?」「間男?」
◇闘いの屁ぶたを切りて鬼やらい いもとやへえ
「ほら貝みたいな?笑」
◇豆を撒くやつと拾って食うやつと 夢の二
◇街中に豆を撒く人のいる巣鴨
◇Mっぽい鬼にぶつける鬼やらい 桃猫
「反応がMっぽい?」
◇鬼やらい豆撒くセレブになりたいわ ダリア220
「叶姉妹みたいになりたい」
◇鬼は外壺を割ったの私です 風の日の扉
「壺割ったの誰!?ってカツオが怒られる」
◇節分の豆に飛びつくブラ男
「ブラ男ってなに?」「女装趣味の男」
◇節分や年の数だけ屁のまだら いもとやへえ
(笑) 「30キロヘルツ?屁のまだらがよく分からない」
◇福豆の味がしなくて病院行く
(笑)「あまり味がしないものだけどね」「節分クラスター・笑」
◇豆撒きの中心でクソと叫ぶ
「いじめられっ子?
◇父は外下ぶくれの母は内
「大福っぽい母」
◇関取の手には小さし年の豆
成田さんで投げるお相撲さん。小さし を指の皺とかにするといいね
◇鬼は外家を出禁にされる夫 安野ゆり子
「そのままだなあ」(作者を聞いて笑い)
◇子を泣かせ鬼が通報されている
「ああ、現代っぽいよね」
◇鬼は外ワンルームには無が残る
「表現がストレートだね」「なんか面白いけど」
◇恋人の鯨肉入り恵方巻 安野ゆり子
「あ、これ作ったことある」
◇福豆とデパスとホットウィスキー 桃猫
「福豆とデパスを掌に乗せる感じにしたいな」
◇寒がりの鬼がなかなか出てゆかぬ 北大路翼
「あー」「理屈っぽいか」
◇引越の箪笥の陰から豆ひとつ
「あるあるだね」
◇いつもより強めに鳩に豆を打つ
(爆笑)「これいいね」「いつもはパンくず。今日は豆を投げる。いつも下投げなのを上投げで」「この寂しさいいね」
◇大掃除子どもの撒いた福残る
「年末だなあ」「まあいいんじゃない?」
◇靭帯を壊してからの鬼やらい 北大路翼
「肩壊してからの野球選手」「ピッチャーが肩を壊して鬼やらい がいいんじゃない?」
◇一か月前の豆踏む日曜日
「三月になってから掃除機で吸ったんだね」「日曜日が効いてる。お父さんがたまにいる感じ」
◇弟が泣くまで豆を投げ続ける
(笑)「言い方・笑」
◇鬼は外福は内てふ浅ましさ
(笑)「それを言ったら…」「全否定」
◇福を呼ぶか鬼になろうか試験前
「分かりづらい」「試験前が難しいね」
◇放尿を見られて平気鬼は外
(笑)「ホームレス?」「トイレ開けっ放しなのかな」
◇裃の似合わぬ肩や年男 甲村健一
「肩パットみたいなやつね」「年男が豆まくけどかみしもが似合わないのかな」
◇鬼の面つけてもつけなくても百合子 北大路翼
(爆笑)「深い」
◇節分や畳の縁の豆を踏む 菊池洋勝
「畳の淵は踏んじゃいけない」「綻びちゃうから踏まないのがマナー」
◇天箱にいつかの豆の残りたる 北大路翼
「天箱ってなに?」「麻雀の点棒が入ってる箱」
◇乱心です豆撒きすぎです 風の日の扉
(笑)色々想起させる。種撒きすぎ
◇立春の触手のような波の伸ぶ
◇競売にかけてる家の鬼やらい 桃猫
「かかった家とか、かかりし家だよね」
◇仏滅や父がだいぞう発砲す
「割りばし鉄砲だね」「仏滅が分からない」
◇豆撒きや嫉妬したっていいじゃない 桃猫
「由美子からの返事」
◇笑う子に泣かされるかな鬼やらい
「孫俳句。大泉逸郎」「かわいい」
◇足元にからみつきたる鬼の影
(笑)「これは節分じゃない。怖すぎるだろ」
◇節分の豆の皮剥くのも上手い 菊池洋勝
「これは性的な意味?普通に福豆の皮を剥ぐのかも」「僕はサイテーの方の意味だと思うな・笑」「…やっぱそうだよね」作者名を発表して笑い。作者は進行性の難病を抱えている。「元気そうで良かった。こういう句を出している内は大丈夫」
◇豆撒きの人隠しているスキャンダル かむろ坂喜奈子
「議員が料亭で遊んでる」「お誕生日イベント?」「自民党全員PCR検査・笑」
◇あの升は署長のゲロも混じってる
「体育会系の会社で去年所長があの升でゲロ吐いた?面白いんじゃない」
◇節分の鬼役かって出るドM 安野ゆり子
(笑)こっちの方が上手
◇節分や犬だけ撫ぜて帰りたる 風の日の扉
「赤鬼が にしたら良いね」「ああ、いいね」
◇キャバクラの豆撒きイベントで怪我人
(爆笑)「失明したとかね」
◇マジ痛い散弾銃のような豆
(爆笑)芸人の出川が見える・笑 昔のテレビ
◇節分の豆にまぎれて耳にタコ
田代マサシ?節分にまぎれてミニにタコ
◇くまもんが好き放題の追儺かな 風の日の扉
(おおー)これ、いいんじゃない?熊本のローカルテレビで「くまもんがやってきましたー!あ!鬼に抱きついちゃった!」「女子アナぶん殴ったり・笑」
◇玄関に泣いた青鬼あざだらけ
小学校で鬼役やってあざだらけで帰ってきた
◇べろべろに酔いたる鬼が屈伸す 北大路翼
豆撒きイベント開始前に50歳の鬼が膝も痛いから。年とると膝が硬いから。
◇鬼を打つ我が内にある鬼を打つ 遊鬼
(笑)梶原一騎風。自問している
◇看板に当たらぬように豆を撒く
「いろんな看板がある〇〇組みたいな」「看板娘かも?」
◇鬼は外と割と本気で豆打たる
「さっきの散弾銃の方が・笑」
◇完ッ全に始まっている鬼やらい
(爆笑)
◇豆打ちてあるデリヘルの待機部屋
「豆が落ちているんだろうね」「いいね」「店長が先にやっててくれた」
◇甲村家の洗濯物に福は内
「以前、干してた下着が映り込んでた。縁起ものだから許して・笑」
◇今年から煮豆を食える追儺かな
「衛生面から?」「おじいちゃん豆今年から煮といたから」「豆煮る匂いはいい匂いだよね「
◇節分は人種差別を助長する
(笑)「そうだね鬼は外人」「日本人は常に差別する」
◇泣きながら豆を撒きたる男かな
「吐きながらにしたら?笑」「ノロウィルス」
◇豆撒くや花しか描かぬ画家の指
「ちょっと発想が飛びすぎかな」
◇トランプが赤鬼ならばちょうどいい
「ちょっと可哀そう・笑」
◇俺の分の豆がちょっとだけ足りない
「48歳だけど46しかない」
◇豆撒いたあとは隣の庭に掃く
「掃除する人」「町内会で微妙なラインに掃く・笑」
◇玄関先で踏みつけられる鬼の役
「玄関先じゃなくて別室がいい」「クラブのVIPルームみたいな」
◇陰毛が豆の割れ目に刺さっている
(笑)
◇血が沁みた豆をひとつひとつ食う
「体にめりこんだのかな」「漫☆画太郎っぽい」
◇ホームレスに向かって豆を投げている
(笑)「追い打ち」「ひどい」「横浜っぽい」
◇節分を接吻と読み口合わす
(笑)「親父ギャグだよ」「ちゅうの口 にしたらいいよね」
◇先代の遺影にあたる福の豆 北大路翼
「白黒の写真に豆が当たっちゃう。いいよね」
終了~‼また来週
読んでくださってありがとうございました